雑誌バックナンバー
New Internationalist(ニューインターナショナリスト) No.416

誌名: New Internationalist(ニューインターナショナリスト) No.416

創刊: 有限会社インティリンクス
発売日: 2008年11月10日

価格: 1,000円

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雑誌紹介

世界の貧困や不公正な現状を報告するため、英国の非営利団体であるOxfam、Christian Aid、Cadbury and Rowntree Trustsの支援によって1973年に創刊され、現在世界で8万人に愛読されている月刊誌です。世界の重要なテーマの中から毎月一つを選び特集を組んできました。これまでに、フェアトレード、援助とバングラデシュ、イスラム、エイズ、国連、大企業の影響、食料と農業経営、石油パイプライン、平等の歩み、気候変動、生命に忍び寄る特許など数多くの特集を組み、開発途上国の現場で起こり始めている見逃せない変化から、すでに大きな流れとなっている国際情勢まで幅広いトピックをカバーし、斬新な鋭い切り口で問題を報告・分析してきました。そして毎号NIとセットでお届けしている日本版冊子『New Internationalist Japan』では、読者の皆さんが理解を深め活用しやすいようNIの英語情報を日本語で補完しています。NI&NI-Japanは、通常のメディアの報道に物足りない方、国際協力や教育、市民活動に関わる方、勉強や仕事などで社会問題や国際情勢の情報源を求めている学生や社会人の方々に役立つ雑誌です。


概要

●今号の内容●
直接税から間接税へのシフト、租税回避行為のまん延、タックス・ヘイブンの増加……。一般の人々が意識しないところで、税の考え方と仕組み、それを取り巻く環境が変化を続けている。間接税へのシフトは、貧しい層の負担を増やし、税の公平性や富の再分配においても問題が指摘されているが、個人・法人所得税など直接税税率引き下げとセットになった動きとして世界中で見られるトレンドだ。かつて税金は、その収入に比例して多く納めるほど名士として高く評価されたものであったが、現在では納税額が少なければ少ないほど力があると見なされるようになった。そしてまた、オフショア金融センター(タックス・ヘイブン)と呼ばれる低税率と守秘義務を掲げた国や地域が、海外の富をかき集めている。このような形で個人の富や法人の利益が海外に移転されることは、国の税収減となり、それは即教育や保健医療など国の公的サービスの低下にもつながる。今月のNIでは、税負担を富裕層から貧困層へシフトする流れや、税回避の現状、環境税の限界など、税制が直面している問題について報告する。
世界の税金 ─ 格差を広げる仕組みと実態
Wanted! - For dodging tax justice
*英語版「New Internationalist」と、NIから厳選した記事の翻訳を中心に掲載した「NIジャパン」をセットでお届けしています。
◆ NI & NIジャパン 2008年10月号 ◆
≪New Internationalist No.416 目次≫
(本文は英語です)
*<NIJ>の表示がある記事は、NIジャパンに翻訳が掲載されています。
2 読者の声
4 世界にはびこる不公平な税制の現実<NIJ>
ここ何年か世界では、税金に関するある統一的な見解が支配的になっている。しかしそれは、税金の機能である国家の税収や富の再分配に悪影響をもたらしてきた。世界を覆うこのトレンドを探る。
セレブの「節税」術:ボノ、ルパート・マードック
9 タックス・ヘイブンの実情
タックス・ヘイブン。それは、税金を軽減または回避するための仕組みを提供している国や地域のことである。世界の金融のおよそ半分、そして貿易も書類上は半分以上がタックス・ヘイブンを経由して行われている。タックス・ヘイブンは、税金を少しでも安くしようとする金持ちの個人や企業だけでなく、非合法なカネを洗浄(ロンダリング)する組織にも利用されている。タックス・ヘイブンであるジャージー島で経済アドバイザーを務め極秘調査を実施した経験もあるジョン・クリステンセンが、タックス・ヘイブンの悪影響と実態について語る。
セレブの「節税」術:レオナ・ヘルムズリー、リヒテンシュタイン公爵
12 不公平な税 ─ その事実<NIJ>
世界のタックス・ヘイブン一覧と、不公平な税制を示す各種データを掲載。
14 開発援助のための国際連帯税
2015年までに世界の貧困、教育、保健などの問題を解決することを目標に掲げた国連のミレニアム開発目標。世界147カ国が合意した目標で、現在、国連、国、NPO/NGOがその目標達成に取り組んでいる。しかしそのための資金は、十分に集まっていないだけでなく、温暖化によって引き起こされる問題の影響から、年間500億ドルがさらに必要になるとみられている。この資金を調達するために最近試みられている通貨取引開発税や航空券連帯税など、革新的資金集めの現状と見通しについて報告する。
セレブの「節税」術:テスコ社
16 税金の歴史<NIJ>
今日英語で税という意味で使われるtaxの語源やその関連語の由来から、バイキングの徴税行為、所得税の始まり、近代国家の経済主義による税制への影響まで、税の歴史を概観する。
18 環境税の限界<NIJ>
今注目を浴びている環境税には、エネルギー使用量や炭素排出量など、課税する対象や政策目的によっていくつか種類がある。デンマーク、スウェーデン、オランダ、カナダのブリティッシュコロンビア州などで実施され成果を上げている環境税だが、グローバル化が進んだ今日では、同様の税制を他の先進国や開発途上国にも実施させることは可能なのだろうか。
セレブの「節税」術:英国王室
20 税金への反逆
人々の支払能力を無視した理不尽な課税に対して、世界ではさまざまな抗議や反乱が行われてきた。そのいくつかを紹介しよう。
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【Special Feature】
21 インドにおける同性愛
ヒンズー教寺院に見られる官能的な彫刻などからは、この国が性に寛容であったことが想像でき、ヒジュラと呼ばれる両性具有の人々に対する社会的な認識にも納得がいくだろう。しかし、少なくとも数年前までは、インドにおけるゲイやレズビアンの現実には厳しいものがあった。このリポートでは、インドの同性愛者の権利の背景と最近の動きについて報告する。
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25 世界のニュース
アボリジニの権利(先住民族)/フィリピンのアロヨ大統領のゴージャスな外遊(腐敗)/テント・オブ・ホープ(ダルフール)/ビルマのカレン民族(民族浄化)/ほか
28 ビッグバッドワールド(風刺漫画)
エデンの園にもあった石油の誘惑。
29 ワールドビーターズ
2014年までに世界最大の企業になることを目指しているロシアの巨大エネルギー企業ガスプロムについて。
30 ミクスト・メディア
本・映画・音楽の紹介
32 南の国からの一コマ
エチオピアの子どもサーカスから。
33 社会を揺さぶる人々
何十年にもわたって女性の権利を守るためにメキシコで闘ってきたマーサ・ルシア・ミシェル・カマレナ。長年の活動が実って昨年2つの大きな勝利を手に入れたカマレナに話を聞く。
34 エッセー:世界で活躍するキューバ人医師・看護師
人口1,000万人のキューバは、年間3万人のボランティア医師・看護師などを世界93カ国に派遣している。彼らはどのような制度の下で現場に派遣され、実際にどんな活動をしているのだろうか。東ティモールの現場からもリポートする。
36 世界の国のプロフィール:タンザニア<NIJ>
≪New Internationalist Japan No.104 目次≫
(本文は日本語です)
2 イントロダクション ─ 税金とロマン
3 世界にはびこる不公平な税制の現実(NI p4-8の翻訳)
ここ何年か世界では、税金に関するある統一的な見解が支配的になっている。しかしそれは、税金の機能である国家の税収や富の再分配に悪影響をもたらしてきた。世界を覆うこのトレンドを探る。
14 不公平な税 ─ その事実(NI p12-13の翻訳)
世界のタックス・ヘイブン一覧と、不公平な税制を示す各種データを掲載。
21 税金の歴史(NI p16-17の翻訳)
今日英語で税という意味で使われるtaxの語源やその関連語の由来から、バイキングの徴税行為、所得税の始まり、近代国家の経済主義による税制への影響まで、税の歴史を概観する。
32 セレブの「節税」術(NI p5, 7, 11の翻訳)
U2のボノ、メディア王のルパート・マードック、金融スキャンダルに揺れるリヒテンシュタインの公爵の身辺を洗う。
35 環境税の限界(NI p18-19の翻訳)
今注目を浴びている環境税には、エネルギー使用量や炭素排出量など、課税する対象や政策目的によっていくつか種類がある。デンマーク、スウェーデン、オランダ、カナダのブリティッシュコロンビア州などで実施され成果を上げている環境税だが、グローバル化が進んだ今日では、同様の税制を他の先進国や開発途上国にも実施させることは可能なのだろうか。
41 もっと知るためのネタ帳
42 世界の国のプロフィール:タンザニア


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