雑誌バックナンバー
New Internationalist(ニューインターナショナリスト) No.431

誌名: New Internationalist(ニューインターナショナリスト) No.431

創刊: 有限会社インティリンクス
発売日: 2010年05月10日

価格: 1,000円

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雑誌紹介

世界の貧困や不公正な現状を報告するため、英国の非営利団体であるOxfam、Christian Aid、Cadbury and Rowntree Trustsの支援によって1973年に創刊され、現在世界で8万人に愛読されている月刊誌です。世界の重要なテーマの中から毎月一つを選び特集を組んできました。これまでに、フェアトレード、援助とバングラデシュ、イスラム、エイズ、国連、大企業の影響、食料と農業経営、石油パイプライン、平等の歩み、気候変動、生命に忍び寄る特許など数多くの特集を組み、開発途上国の現場で起こり始めている見逃せない変化から、すでに大きな流れとなっている国際情勢まで幅広いトピックをカバーし、斬新な鋭い切り口で問題を報告・分析してきました。そして毎号NIとセットでお届けしている日本版冊子『New Internationalist Japan』では、読者の皆さんが理解を深め活用しやすいようNIの英語情報を日本語で補完しています。NI&NI-Japanは、通常のメディアの報道に物足りない方、国際協力や教育、市民活動に関わる方、勉強や仕事などで社会問題や国際情勢の情報源を求めている学生や社会人の方々に役立つ雑誌です。


概要

※英語版「New Internationalist」と、NIから厳選した記事の翻訳・要約を中心に日本の情報も掲載した「NI日本版」をセットでお届けしています。
※ 忙しい時には日本版でさっと目を通し、気になる記事は英語版でじっくり読む。忙しい方のスタイルに合わせた情報収集が可能です。
■■ ニュー・インターナショナリスト 英語版/日本版 2010年4月号 ■■
ストップ! オイルサンド
Bloody oil - Shut down the tar sands!
●今号の内容●
膨大なオイルサンドのおかげで石油大国となったカナダ。今この国で、オイルサンド採掘による環境破壊、現地の人々の健康と暮らしへの悪影響、先住民族の権利侵害が問題となっている。
このオイルサンドとは、油分が含まれた土壌のことで、掘り出して熱湯をかけて油分を分離するか、何カ月も地中に水蒸気を送り込み、油分の粘性を下げてからパイプでくみ上げる。こうしてとれた油分(ビチューメン)は、さらに熱・圧力・化学物質を加えて改質してようやく通常の原油と同じように利用できる合成原油となる。
かなりエネルギーが必要で(炭素排出量も多く)コストがかかる資源だが、原油価格の高騰により、オイルサンドでも十分利益が見込めるようになった。そして2003年から、オイルサンドの埋蔵量が世界の原油埋蔵量に含まれるようになり、今やカナダはサウジアラビアに次ぐ世界第2位の石油大国である。
しかしこのオイルの富により、民主的で環境に配慮する自然豊かなイメージで語られるカナダという国がおかしくなっている。
今月は、その現場であるアルバータ州の現実を伝えると共に、オイルサンド開発中止を求めて立ち上がった市民活動の最前線を報告する。
◆NI英語版/日本版 2010年4月号◆
≪New Internationalist英語版 No.431 目次≫
(本文は英語です)
*<>の表示がある記事は、日本版に翻訳もしくは要約記事が掲載されています。
2 読者の声
4 この非在来型原油を受け入れられない理由<翻訳>
二酸化炭素の排出、環境破壊、地域に住む先住民の暮らしと健康への悪影響など、世界で最も有害な産業プロジェクトと言われるオイルサンド開発。それはいったいどのようなもので、環境と人間にどのような影響を及ぼし、その中止を求める人々はどんな方法で政府や企業と渡り合っているのだろうか。
8 カナダが抱える不幸の源<要約>
かつて、いや、今も多くの人々が、カナダと聞けば雄大な自然、リベラルな政治、人種的に寛容な社会、環境重視などのイメージを思い浮かべるだろう。しかし、オイルサンドの生産が本格化してから、この国も石油の呪いにとらわれ、現実はそんなイメージから遠ざかりつつある。はたしてカナダは、堕落した石油国家に成り下がってしまったのだろうか。
10 土から原油へ〜オイルサンド採掘2つの方法<翻訳>
露天掘りと地層(油層)内回収法について。
11 モルドールからの脱出
カナダの自然を救うためには、米国と結んだNAFTA(北米自由貿易協定)の見直しが不可欠だ。NAFTAでは、カナダのオイルサンド生産と米国への輸出に条件が設けられ、企業に対する環境的・社会的な縛りが制限されている。これに対し、カナダ国内ではどのような動きが起こっているのか。
12 死ぬまで闘い続ける決意<要約>
オイルサンド採掘による最大の被害者は自然環境であるが、その自然に依存して生きてきた地元の先住民族も生活と健康に大打撃を受けている。小さなコミュニティーでのまれながんの発病、川魚の奇形、味が変わってしまったカモの肉、自然の恵みに頼った生活が崩れ、採掘企業が与える仕事に頼らざるを得ないという経済状況の変化……。企業や政府のやり口から、健康被害と問題に立ち向かう人々の動きと決意まで、先住民の視点から現状を報告する。
→先住民の健康被害を告発したジョン・オコナー医師のインタビューはNIジャパンウェブサイトに掲載中
16 燃える岩
オイルサンドは、ベネズエラでも大規模な埋蔵が確認されているほか、コンゴ共和国やマダガスカルなどでも埋蔵が分かっている。そして、オイルサンドと共に「非在来型原油」と呼ばれるオイルシェール(石油に変化する有機物を含んだ岩や堆積物)も世界中で埋蔵が確認され、大手石油企業が食指を伸ばしている。今回は、国際石油資本のシェル社がオイルシェール開発を進めるヨルダンと米国の現場を訪ねた。
17 オイルサンドの惑星<翻訳>
この地図が示すのは、シェル社が開発の意向を持つ「非在来型原油」の埋蔵地域である。
18 誰にでも関係してくる問題
オイルサンド生産のインフラは北米で整備されているが、その資金は世界中からかき集められているものだ。その実態が知られるようになるにつれ、抵抗運動のネットワークは世界に広がっている。
20 アクション
オイルサンド開発に関係する企業、金融機関、政府に圧力を加え、中止に向けた運動を支援しよう。
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【Special Features】
21 エチオピアの民主主義の危機
不安定な地域にあって、民主主義的なスタイルを保ってきたエチオピア。しかし最近、メレス・ゼナウィ首相率いる政府は、政府に異論を唱える者たちを弾圧し、投獄し、報道の自由も沈没寸前である。しかし欧米諸国は、スーダンやソマリアに隣接するこの国は「テロとの戦い」の重要なパートナーであるという理由から、そんな内部の変化を見て見ぬふりをしている。今年5月に行われる選挙に向け、国内情勢を分析する。
24 マグロは氷山の一角:深刻な海の問題<要約>
マスメディアは、マグロやクジラをめぐる国際政治劇場で起こるドタバタ劇ばかりを報道する。そして私たちは、なじみの深い魚の話に目を奪われがちである。だが、マグロやクジラのことは海の問題の一部にすぎず、状況はずっと深刻だ。あらゆる魚種の資源量減少、海洋汚染、無法な振る舞いの海賊漁船の存在など、海の問題はもっと大きな視野でとらえなければならないものなのだ。海が抱える問題と、その解決策について探る。
28 ある兵士の物語
インドが占領を続けるカシミール地方の戦闘で仕掛け爆弾の攻撃に遭い、顔と体に150針縫う瀕死の重傷を負い、両目を失い、顔面再生手術を受けた元インド陸軍少佐。陸軍時代の経験と、現在考えるカシミールに平和をもたらす方法について彼が語る。
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30 世界のニュース<*のついた記事を要約で掲載>
*クーデターへの抵抗運動(ホンジュラス)/クラスター爆弾の禁止(兵器)/遺伝子組み換えのナス(インド)/ウガンダの抑圧的な法律(同性愛者の権利)/*生臭いビジネスの犠牲(西サハラ)/ほか
31 オンリー・プラネット(4コマ漫画)
人間がやめられない嗜好品を試すゴートとクラーツ。
33 ビッグバッドワールド(風刺漫画)
すべては陰謀なのか。
34 ミクスト・メディア
本・映画・音楽の紹介
36 世界の国のプロフィール:チュニジア
◆ ニュー・インターナショナリスト日本版 119号 目次 ◆
(本文は日本語です)
1 この非在来型原油を受け入れられない理由 (NI p4-7の翻訳)
二酸化炭素の排出、環境破壊、地域に住む先住民の暮らしと健康への悪影響など、世界で最も有害な産業プロジェクトと言われるオイルサンド開発。それはいったいどのようなもので、環境と人間にどのような影響を及ぼし、その中止を求める人々はどんな方法で政府や企業と渡り合っているのだろうか。
7 死ぬまで闘い続ける決意(NI p12-15からの要約)
オイルサンド採掘による最大の被害者は自然環境であるが、その自然に依存して生きてきた地元の先住民族も生活と健康に大打撃を受けている。小さなコミュニティーのまれながんの患者、川魚の奇形、味が変わってしまったカモの肉、自然の恵みに頼った生活が崩れ採掘企業が与える仕事に頼らざるを得ないという経済状況の変化……。企業や政府のやり口から、健康被害と問題に立ち向かう人々の動きと決意まで、先住民の視点から現状を報告する。
10 カナダが抱える不幸の源(NI p9からの要約)
かつて、いや、今も多くの人々が、カナダと聞けば雄大な自然、リベラルな政治、人種的に寛容な社会、環境重視などのイメージを思い浮かべるだろう。しかし、オイルサンドの生産が本格化してから、この国も石油の呪いにとらわれ、現実はそんなイメージから遠ざかりつつある。はたしてカナダは、堕落した石油国家に成り下がってしまったのだろうか。
11 オイルサンドの惑星(NI p17からの翻訳)/土から原油へ〜オイルサンド採掘2つの方法(NI p10からの翻訳)/油層内回収法の仕組みと問題
12 アクション! ─ 何かする・もっと知る/日本での動き
・日本の団体と参考ウェブサイト、本、資料などの情報。
・日本とオイルサンドのかかわり、どこから来て、どこへ行くのか。
14 今月のフォーカス(NI p24-27の要約)
●マグロは氷山の一角:深刻な海の問題
マスメディアは、マグロやクジラをめぐる国際政治劇場で起こるドタバタ劇ばかりを報道する。そして私たちは、なじみの深い魚の話に目を奪われがちである。だが、マグロやクジラのことは海の問題の一部にすぎず、状況はずっと深刻だ。あらゆる魚種の資源量減少、海洋汚染、無法な振る舞いの海賊漁船の存在など、海の問題はもっと大きな視野でとらえなければならないものなのだ。海が抱える問題と、その解決策について探る。
15 世界のニュース(NI p30、32からの要約)
・クーデターへの抵抗運動(ホンジュラス)
・生臭いビジネスの犠牲(西サハラ)
・SPEECHMARKS(ブルース・スプリングスティーン)
16 編集後記、次号のお知らせ、ほか


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