雑誌バックナンバー
New Internationalist(ニューインターナショナリスト) No.432

誌名: New Internationalist(ニューインターナショナリスト) No.432

創刊: 有限会社インティリンクス
発売日: 2010年06月10日

価格: 1,000円

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雑誌紹介

世界の貧困や不公正な現状を報告するため、英国の非営利団体であるOxfam、Christian Aid、Cadbury and Rowntree Trustsの支援によって1973年に創刊され、現在世界で8万人に愛読されている月刊誌です。世界の重要なテーマの中から毎月一つを選び特集を組んできました。これまでに、フェアトレード、援助とバングラデシュ、イスラム、エイズ、国連、大企業の影響、食料と農業経営、石油パイプライン、平等の歩み、気候変動、生命に忍び寄る特許など数多くの特集を組み、開発途上国の現場で起こり始めている見逃せない変化から、すでに大きな流れとなっている国際情勢まで幅広いトピックをカバーし、斬新な鋭い切り口で問題を報告・分析してきました。そして毎号NIとセットでお届けしている日本版冊子『New Internationalist Japan』では、読者の皆さんが理解を深め活用しやすいようNIの英語情報を日本語で補完しています。NI&NI-Japanは、通常のメディアの報道に物足りない方、国際協力や教育、市民活動に関わる方、勉強や仕事などで社会問題や国際情勢の情報源を求めている学生や社会人の方々に役立つ雑誌です。


概要

※英語版「New Internationalist」と、NIから厳選した記事の翻訳・要約を中心に日本の情報も掲載した「NI日本版」をセットでお届けしています。
※ 忙しい時には日本版でさっと目を通し、気になる記事は英語版でじっくり読む。忙しい方のスタイルに合わせた情報収集が可能です。
■■ ニュー・インターナショナリスト 英語版/日本版 2010年5月号 ■■
イラク戦争から7年の人々の現実
Iraq: Seven years later - the legacy of invasion
●今号の内容●
2003年の米英軍主導の侵攻以来、この国は混沌とした状況に包まれている。暴力は依然として続いており、これまでに100万人以上が死亡した。また、復興援助という名の下に530億ドルがつぎ込まれたが、いまだにインフラは破壊されたままだ。
腐敗したイラク政府はサダム・フセイン時代を彷彿とさせる人権抑圧に手を染め、宗派間の緊張も続き、人々は仕事もなく困難な毎日を強いられている。総選挙がこの3月に行われたが、選挙結果をめぐり、そして宗教と政治での駆け引きが続き、いまだに新政権発足のめどはたっていない。しかしそんな中でも人々は、以前の暮らしを取り戻そうと模索している。再開された国立劇場、抑圧的な原理主義に抗う女性たち、より良い暮らしを夢見る若者たち……。現在イラクには、国というアイデンティティーの意識の復活によって、宗派の争いを乗り越えようとする人々も出てきている。
今回は、まだまだ混乱と暴力が支配するイラクをNI共同編集長のハダニ・ディトマスが7年ぶりに訪問して取材を行った。戦争による影響はどうなっているのか、宗派間対立は現在どのような形で人々の生活に影響しているのか、人々は将来をどう考えているのか……。かつて取材で訪れた町の様子、旧知の人々から聞いた7年間の経験、そして新たな出会と実体験から、イラクの人々の現実を報告する。
◆ニュー・インターナショナリスト英語版&日本版 2010年5月号◆
≪New Internationalist英語版 No.432 目次≫
(本文は英語です)
*<>の表示がある記事は、日本版に翻訳もしくは要約記事が掲載されています。
2 読者の声
4 イラクという未完のパズル<翻訳>
選挙直前にイラクを訪問したNI共同編集長のハダニ・ディトマス。以前何度か取材で訪れたイラクの状況を振り返りながら、新たなイラクの現実をとらえ直そうと試みる。すでにバグダッドに向かう飛行機の中で、今回の訪問はこれまでとは違うことを予感させる出会いがあった。
7 「アメリカ、アメリカ」
米国の存在とは、私たちにとって何なのか。 イラク人の詩人、作家、ジャーナリストでもあるSaadi Youssefが詩で表現した。
8 サバイバルな今日のイラク
なかなか許可が下りなかったジャーナリストビザの取得を手助けしてくれたイラクのNGO。ハダニはそのスタッフと空港の外で合流し、マリキ首相の「法と秩序」政策で設けられた多数の検問所が目につく町を車で走る。以前とは異なる緊張に包まれた町で、芸術家たちとの接触を試みる。かつてイラクは、熱心に芸術家を支援していた国だった。
11 キリスト教徒の迫害
教会のミサにやって来たハダニ。2003年に参加した時よりもだいぶ参加者が少ないことに気づいた。ミサの後、自ら抱える悩みを知ってほしいと女性たちが次々と話しかけてくるが、治安を理由に教会の牧師は対話時間を15分だけだと制限する。女性たちは、宗教面での寛容さを失ってしまった社会がどのような結果をもたらしているのか、自らの経験を短い時間でハダニに訴えた。
12 診療所の待合室にて<要約>
最近の保健医療事情を取材しに旧知の病院を訪れたハダニ。かつては政治的なことも率直に語っていた病院スタッフも、今回は発言に慎重である。そこには今のイラクを象徴する理由があった。
14 侵攻後のイラク ― その事実<翻訳>
子ども、女性、難民/避難民、インフラ、失踪/暗殺/違法な拘束に関するデータと事例。
16 「イラク女性のように悲しそうにして」
2003年以降宗教色が強まったイラクでは、以前よりも女性に対する制限が強くなり見る目も厳しくなった。ハダニはそれを身をもって感じながら、生活も困窮する女性たちの話に耳を傾けた。
18 権力と栄光<要約>
最後にハダニは、イラクの現状とこれからを考えた。取材で聞いた人々の言葉と彼女が体験した出来事を振り返るが、それは非常に厳しいものである。しかしその一方で、将来への望みをつなぐ人々の言動に勇気づけられ、イラク人と同じく彼女も希望を捨ててはいない。
20 書籍案内
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【Special Feature】
21 虐殺犯を擁護する国
1994年に起こったルワンダでの大虐殺。その蛮行に手を染めた人間たちが、実はのうのうと大手を振って欧米社会で暮らしている。その理由とは。
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25 世界のニュース<*のついたものを要約で掲載>
*強大な都市化の力(インド)/拡大された投票権(政治)/クジラ戦争(ニュージーランド/アオテアロア)/*違法伐採は止まったのか?(マダガスカル)/*飛び入り入札(環境)/ほか
27 オンリー・プラネット(4コマ漫画)
人間っていったい何?
28 ビッグバッドワールド(風刺漫画)
今日のクラーク・ケント。胸のSの文字はスーパーパワーのSだ。
29 ワールドビーターズ
今年3月、チリにセヴァスティアン・ピニェラという右派の大統領が誕生した。選挙で選ばれた右派大統領の誕生は、1958年以来となる。ハーバード卒の大富豪大統領はいかにしてその地位に上り詰めたのか。彼の当選は今後のラテンアメリカ政治にどのような影響をもたらすのだろうか。
30 ミクスト・メディア
本・映画・音楽の紹介
32 南の国からの一コマ
ブラジルの海の女神「レマンジャ」に捧ぐフェスティバル。
33 社会を揺さぶる人々
ネパールのダリット(カーストにも含まれずアンタッチャブルや不可触民として差別される社会階層)に生まれたドゥルガ・ソブ。フェミニスト・ダリット・オーガニゼーションを立ち上げて差別と闘う彼女へのインタビュー。
34 エッセー:欲求による支配
篤い信仰心で性的な欲求を覆い隠そうとするエジプト社会。しかしその欲求は隠しきれるものではなく、抑圧することで違った形となって噴き出すこともある。
36 世界の国のプロフィール:サントメ・プリンシペ
≪ニュー・インターナショナリスト日本版120号 目次≫
(本文は日本語です)
1 イラクという未完のパズル(NI p4-6の翻訳)
選挙直前にイラクを訪問したNI共同編集長のハダニ・ディトマス。以前何度か取材で訪れたイラクの状況を振り返りながら、新たなイラクの現実をとらえ直そうと試みる。すでにバグダッドに向かう飛行機の中で、今回の訪問はこれまでとは違うことを予感させる出会いがあった。
5 診療所の待合室にて(NI p12-13からの要約)
最近の保健医療事情を取材しに旧知の病院を訪れたハダニ。かつては政治的なことも率直に語っていた病院スタッフも、今回は発言に慎重である。そこには今のイラクを象徴する理由があった。
7 権力と栄光(NI p18-20からの要約)
最後にハダニは、イラクの現状とこれからを考えた。取材で聞いた人々の言葉と彼女が体験した出来事を振り返るが、それは非常に厳しいものである。しかしその一方で、将来への望みをつなぐ人々の言動に勇気づけられ、イラク人と同じく彼女も希望を捨ててはいない。
10 侵攻後のイラク ― その事実(NI p14-15からの翻訳)
子ども、女性、難民/避難民、インフラ、失踪/暗殺/違法な拘束に関するデータと事例。
12 日本での動き
〜平時とはとても言えないイラクで、人々は実際にどんな問題を抱え、それに対して日本のNGOはどんな協力を行っているのだろうか。
●過去と現在の苦しみを軽減する心理ケア<日本国際民間協力会>
●食料支援から地域活動への模索<日本国際ボランティアセンター>
●がんの子どもを支える支援<日本イラク医療支援ネットワーク>
13 アクション! ─ 何かする・もっと知る
・日本の団体と参考ウェブサイト、本、資料などの情報。
14 今月のフォーカス(NI p21-24の要約)
●虐殺犯を擁護する国
1994年に起こったルワンダでの大虐殺。その蛮行に手を染めた人間たちが、実はのうのうと大手を振って欧米社会で暮らしている。その理由とは。
15 世界のニュース(NI p25〜27からの要約)
・強大な都市化の力(インド)
・違法伐採は止まったのか?(マダガスカル)
・飛び入り入札(環境)
16 編集後記、次号のお知らせ、ほか


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