雑誌バックナンバー
New Internationalist(ニューインターナショナリスト) No.435

誌名: New Internationalist(ニューインターナショナリスト) No.435

創刊: 有限会社インティリンクス
発売日: 2010年10月10日

価格: 1,000円

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雑誌紹介

世界の貧困や不公正な現状を報告するため、英国の非営利団体であるOxfam、Christian Aid、Cadbury and Rowntree Trustsの支援によって1973年に創刊され、現在世界で8万人に愛読されている月刊誌です。世界の重要なテーマの中から毎月一つを選び特集を組んできました。これまでに、フェアトレード、援助とバングラデシュ、イスラム、エイズ、国連、大企業の影響、食料と農業経営、石油パイプライン、平等の歩み、気候変動、生命に忍び寄る特許など数多くの特集を組み、開発途上国の現場で起こり始めている見逃せない変化から、すでに大きな流れとなっている国際情勢まで幅広いトピックをカバーし、斬新な鋭い切り口で問題を報告・分析してきました。そして毎号NIとセットでお届けしている日本版冊子『New Internationalist Japan』では、読者の皆さんが理解を深め活用しやすいようNIの英語情報を日本語で補完しています。NI&NI-Japanは、通常のメディアの報道に物足りない方、国際協力や教育、市民活動に関わる方、勉強や仕事などで社会問題や国際情勢の情報源を求めている学生や社会人の方々に役立つ雑誌です。


概要

※英語版「New Internationalist」と、NIから厳選した記事の翻訳・要約を中心に日本の情報も掲載した「NI日本版」をセットでお届けしています。
※ 忙しい時には日本版でさっと目を通し、気になる記事は英語版でじっくり読む。忙しい方のスタイルに合わせた情報収集が可能です。
■■ ニュー・インターナショナリスト 英語版/日本版 2010年9月号 ■■
タネの多様性を守れ
Seed savers - The frontline against world hunger
●今号の内容●
10月に名古屋で開かれる生物多様性条約の会議に向け、日本でも生物多様性への関心が高まっている。消えゆく里山から絶滅危惧の動物まで、さまざまな話題が耳に入ってくる。中でも私たちの食卓に直結するのが、植物のタネの問題だ。
人間は多々ある植物の一部を栽培し、それを食べて生きてきた。収穫した作物からはタネが採られ、それが引き継がれて代々農業の営みが行われてきた。しかし現在、そんな営みや多様な在来種の作物が危機に直面している。交配種や遺伝子組み換えのタネに化学肥料と農薬をセットで売り込み、工業的な農業手法で作物のタネ(つまり私たちの食料)を支配しようともくろむ世界のアグリビジネス企業。彼らは、人口増加著しい世界を食べさせていく唯一の方法が工業的農業だ、と主張する。しかし彼らが「開発」した作物は企業の所有物となり、その結果作物の独占と単一作物栽培が進み、化石燃料への依存は増え、作物の耐病性や気候変動への適応性は弱まっていく。
今月のNIは、ラテンアメリカ、アフリカ、アジアの小規模農民たちが、そんな未来を回避するためにすでに取り組んでいる活動を報告する。彼らは健康的で持続可能な形で食料を生産しシードバンク(種子銀行)を立ち上げ、環境変化にも強い在来のタネを後世に伝えようとしている。彼らに必要なのは新しいタネではなく、貧困と搾取からの解放なのだ。
◆ニュー・インターナショナリスト英語版&日本版 2010年9月号◆
≪New Internationalist英語版 No.435 目次≫
(本文は英語です)
*<>の表示がある記事は、日本版に翻訳もしくは要約記事が掲載されています。
2 読者の声
4 タネを採る人々<翻訳>
交配種(F1種)や遺伝子組み換え作物と、それらに不可欠な化学肥料や農薬を使って世界の農業を支配しようともくろむ巨大アグリビジネス。しかし世界の多くの農民は、何代にもわたり受け継がれてきた在来種のタネを育て、自分でタネを採り、その支配に抵抗する。彼らの伝統的知識とタネは、今も多くの人々に食料を供給している。
8 真実の作物<要約>
地域の風土にあった作物を育て、タネを採り、それを保存し、次の世代にも伝えていく。その営みに誇りを持って取り組む南インドのダリット(カーストにも含まれないインド社会の最下層の人々)の女性たちを訪ねた。
10 タネ ― その事実<翻訳>
企業による独占、単一作物栽培の弊害、タネの多様性などに関するデータとファクト。
12 タネの主権は誰の手に
世界の食料政策が民主的に定められることを求めてキャンペーンを行う国際農民組織、ビア・カンペシーナ(スペイン語で農民の道という意味)。彼らは現在タネを守るキャンペーンも行っている。このキャンペーンを始めた理由と目的について、チリの先住民族のスタッフに話を聞いた。
14 気候変動を生き抜く<要約>
ここ数十年、アフリカでもタネを買う農民が増え、一部の農民たちはアグリビジネスが提供するタネに完全に依存している。しかしまた、古くから受け継がれてきたタネを次世代に伝え、食料の安定供給も視野に入れて取り組むコミュニティーや団体も増えている。
16 タネ小史
タネの生物学的側面から進化について見てみよう。
18 死の商人<要約>
巨大アグリビジネスは、どうやって世界の農業を支配しようとしているのか。そしてそれは、どこまで進んでいるのだろうか。
20 アクション
タネを守る活動や交換会からキャンペーンNGOや書籍まで、タネに関して行動するための情報源。
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【Special Feature】
21 オンライン・アクティビズム<抄訳>
インターネットと、それを利用した仮想コミュニティー(フェイスブックやツイッター)や媒体(ブログやメール)の出現。それは、社会変革をより身近で容易なものにしたのだろうか。
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25 世界のニュース<*のついた記事を要約で掲載>
グアテマラ駐在カナダ大使の罪(人権)/*歴史的なヤスニの調印(エクアドル)/*毒された丘(麻薬)/欧州排出権取引市場はなぜハッキングされたのか(気候変動) ほか
27 オンリー・プラネット(4コマ漫画)
人間の注目を浴びるには。
28 ビッグ・バッド・ワールド
金融危機の影響を最も受けるのはやはり金持ちだった!?
29 ワールドビーターズ
米国の石炭産業で最も高い報酬を得ているマッシー・エナジー社のCEOドン・ブランケンシップ。1980年代から90年代にかけては、労働組合の強い鉱山を武装警備員を使って閉鎖した。高い利益を追い求め、環境汚染や労働現場の安全性などは眼中にない。
30 ミクスト・メディア
本・映画・音楽の紹介
32 南の国からの一コマ
危機に瀕するアルゼンチンのマプーチェ民族の暮らし。
33 社会を揺さぶる人々
正義を求め、人々を行動に駆り立てるインドの活動家、PV・ラジャゴパルへのインタビュー。
34 エッセー:協働して取り組む
スペインのモンドラゴン協同組合とカナダ・米国の鉄鋼労働組合。どちらも長い間それぞれの国で労働者のために活動してきた団体である。この2つの団体が協力し、足りない部分を補い合い、新たな可能性が広がる。
36 世界の国のプロフィール:バングラデシュ
≪ニュー・インターナショナリスト日本版123号 目次≫
(本文は日本語です)
1 タネを採る人々(NI p4-7の翻訳)
交配種(F1種)や遺伝子組み換え作物と、それらに不可欠な化学肥料や農薬を使って世界の農業を支配しようともくろむ巨大アグリビジネス。しかし世界の多くの農民は、何代にもわたり受け継がれてきた在来種のタネを育て、自分でタネを採り、その支配に抵抗する。彼らの伝統的知識とタネは、今も多くの人々に食料を供給している。
5 死の商人(NI p18-19の要約)
巨大アグリビジネスは、どうやって世界の農業を支配しようとしているのか。そしてそれは、どこまで進んでいるのだろうか。
6 真実の作物(NI p8-9の要約)
地域の風土にあった作物を育て、タネを採り、それを保存し、次の世代にも伝えていく。その営みに誇りを持って取り組む南インドのダリット(カーストにも含まれないインド社会の最下層の人々)の女性たちを訪ねた。
8 タネ ― その事実(NI p10-11の翻訳)
企業による独占、単一作物栽培の弊害、タネの多様性などに関するデータとファクト。
10 気候変動を生き抜く(NI p14-15の要約)
ここ数十年、アフリカでもタネを買う農民が増え、一部の農民たちはアグリビジネスが提供するタネに完全に依存している。しかしまた、古くから受け継がれてきたタネを次世代に伝え、食料の安定供給も視野に入れて取り組むコミュニティーや団体も増えている。
12 日本での動き
毎日何げなく食べている野菜やくだもの。人間の都合でそのタネに手が加えられ、多様性喪失につながっていることは否めない。人間社会におけるタネのあり方について考える。
●生物多様性と日本のタネ事情
●地域と文化と人とタネ<たねの森>
12 アクション! ─ 何かする・もっと知る
・日本の団体と参考ウェブサイト、本、資料などの情報。
14 今月のフォーカス(NI p21-24の抄訳)
●オンライン・アクティビズム
インターネットと、それを利用した仮想コミュニティー(フェイスブックやツイッター)や媒体(ブログやメール)の出現。それは、社会変革をより身近で容易なものにしたのだろうか。
15 世界のニュース(NI p25、26、33からの要約)
・歴史的なヤスニの調印(エクアドル)
・毒された丘(麻薬)
・人々を行動に駆り立てる:PV・ラジャゴパル(インタビュー)
16 編集後記、次号のお知らせ、ほか


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