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判例タイムズ 1274号

誌名: 判例タイムズ 1274号

創刊: 判例タイムズ社
発売日: 2008年10月01日

価格: 2,000円

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雑誌紹介

「判例タイムズ」は、1948年の創刊以来、我が国を代表する判例紹介誌として、幅広い分野の法律実務家から高い評価を受けています。全国の判例情報から実用性の高いものを迅速的確に紹介しつつ、実務家・研究者と連携して時事問題を取り扱った論文・鼎談等をタイムリーに掲載しており、実務家・研究者に限らず、広く法務に携わるすべての人々必見の書です。


概要


記事紹介
■現代企業法研究会 企業間提携契約の法的諸問題7
合弁契約における株式譲渡を伴う終了条件に関する考察
――先買権条項・売渡強制条項・買取強制条項を中心に――/清水建成
■続・元裁判官の書斎(4)
老法曹の思い出話/倉田卓次
◆民事抗告審の実務と考察/小池一利
■山形地裁民事実務研究7
確定した間接強制決定の基礎となった和解条項の債務名義性に疑義があることを理由として同決定の効力を否定することの許否(消極)
福岡高判平17.6.1判タ1259号336頁
(原審・福岡地判平16.10.26判タ1259号341頁)/西田祥平
◆裁判員裁判と「当事者主義の重視」/神山啓史・岡 慎一
■量刑に関する諸問題〔大阪刑事実務研究会〕
被害者と量刑(3)/横田信之
■裁判員制度のもとにおける控訴審の在り方4〔大阪高等裁判所陪席会〕
訴訟手続の審査/芦 源・飯畑正一郎・中田幹人
判例紹介
最高裁判例
[刑 法]
1(最高裁第二小法廷平20.4.25判決)
1 責任能力判断の前提となる精神障害の有無及び程度並びにこれが心理学的要素に与えた影響の有無及び程度について,精神医学者の鑑定意見等が証拠となっている場合における,裁判所の判断の在り方
2 統合失調症による幻覚妄想の強い影響下で行われた行為について,正常な判断能力を備えていたとうかがわせる事情があるからといって,そのことのみによって被告人が心神耗弱にとどまっていたと認めるのは困難とされた事例
2KSD事件(最高裁第三小法廷平20.3.27決定)
参議院議員が,本会議における代表質問においてある施策の実現のため有利な取り計らいを求める質問をされたい旨の請託を受け,さらに,他の参議院議員を含む国会議員に対し国会審議の場において同旨の質疑等を行うよう勧誘説得されたい旨の請託を受けて金員を受領したことが,その職務に関し賄賂を収受したものとされた事例
行政裁判例
[行政法一般]
1(大阪地裁平20.1.30判決)
1 都市緑地法52条1項にいう「土地所有者等」の意義
2 市長がした緑地協定廃止認可処分が,同協定区域内の土地所有者等の過半数の合意(都市緑地法52条1項)を欠いてされたものであり違法であるとして,取り消された事例
3 緑地協定廃止認可処分が違法である旨の判断をするに当たり,同処分の取消しにより公の利益に著しい障害を生ずるものとは認められず,行政事件訴訟法31条1項を適用して請求を棄却(いわゆる事情判決)すべき場合に当たらないとして,同処分が取り消された事例
2(東京地裁平18.3.24判決)
1 市町村が都道府県に対して住民基本台帳法30条の5第1項所定の本人確認情報を住民基本台帳ネットワークシステムを通じて送信する場合に,都道府県がこれを受信する義務を有することの確認を求める訴えの,裁判所法3条1項にいう「法律上の争訟」該当性(消極)
2 市町村が,都道府県に対して,当該情報を都道府県に通知することを受諾した住民のみに係る本人確認情報を送信しようとする場合に,都道府県がこのような本人確認情報を受信すべき義務の存否(消極)
[行政争訟法]
3(東京地裁平20.4.25判決)
都市再開発法に基づく第1種市街地再開発事業の施行地区の隣接地域に居住し,土地及び建物を所有している者が,同法11条1項に基づく市街地再開発組合の設立認可の取消しを求める訴えの原告適格を有しないとされた事例
[国家補償法]
4(東京地裁平19.9.21判決)
民事訴訟の当事者たる死刑確定者の口頭弁論期日への出頭申請を拒否した拘置所長の措置に裁量権の範囲を逸脱した違法があるとはいえないとされた事例
5(東京高裁平18.6.21判決)
1 教員の転任処分取消しの訴えの利益が再転任を理由に存在しないとされた事例
2 教員の転任処分に裁量権の範囲の逸脱ないし濫用がないとされた事例
[租税法]
6(福岡高裁平18.10.24判決)
法人税法68条の所得税額の控除を選択した法人の確定申告の誤りと国税通則法23条の更正の請求の可否
労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京高裁平19.11.28判決)
1 地方公務員法3条3項3号所定の職に属する非常勤職員で任用期間の定めのあるものの勤務関係
2 地方公務員法3条3項3号所定の職に属する非常勤職員で任用期間の定めのあるものに任用された者の再任用拒否と解雇権濫用法理の類推
3 地方公共団体が地方公務員法3条3項3号所定の職に属する非常勤職員で任用期間の定めのあるものに任用された者を再任用しなかったことが国家賠償法上違法であるとされた事例
民・商事裁判例
[民 法]
1(千葉地裁平20.3.27判決)
幼稚園の園児が同幼稚園の敷地脇の用水路に転落して溺死した事故について,園長,教頭,教諭に過失があったとして,その園長らと設置者の不法行為責任が認められた事例
2(東京地裁平19.10.25判決)
反訴被告が反訴原告から賃借していた工場敷地部分の土壌汚染につき,反訴被告の工場の使用による汚染であると認め,土壌調査費用及び土壌汚染対策工事費用相当額の損害賠償を認容した事例
3(東京地裁平19.1.26判決)
元従業員が,在職中,その業務として収集した顧客情報を持ち出し,転職後,同情報に基づいて転職先会社から顧客に対して勧誘文言を含むメールを送信した行為について,元従業員については元勤務先会社に対する不法行為が,元従業員の転職先会社については使用者責任が成立するとされた事例
4(大阪地裁平19.12.10判決)
被害者(被保険者)にも過失がある事故に関して,被害者が人身傷害補償保険契約に基づく保険金の支払を受けた後に加害者に対する損害賠償請求訴訟を提起した場合において,保険金を支払った保険会社が代位取得する被害者の加害者に対する損害賠償請求権の範囲
5(札幌地裁平19.11.21判決)
気管支拡張剤の投与を受けた気管支喘息の患者に不整脈等の心臓疾患が増悪した場合,医師の薬剤処方について不適切な点はないとしたが,薬剤の副作用についての説明義務違反があったとして,病院側の債務不履行責任が認められた事例
[商 法]
6(福岡地裁平20.3.13判決)
簡易生命保険の還付金請求権及び入院保険金請求権について,その相続人の一人は,その相続分に応じ,支払を求めることができるとされた事例
7(東京高裁平19.9.27判決)
車両盗難及び車両損壊による車両保険金等請求事件について,車両盗難の外形的事実(被保険者以外の者による車両持ち去りの事実)が認められないとし,車両損壊の事実は認められるが,保険契約者の故意によるとして,保険金請求が否定された事例
[知的財産]
8「ライブドア裁判傍聴記」著作権侵害訴訟控訴審判決(知的財産高裁平20.7.17判決)
裁判傍聴に関する記述の著作物性が否定された事例

9(東京地裁平18.3.31判決)
1 教科書掲載著作物を国語テストに複製したことが,著作権法36条に当たらず,複製権侵害及び氏名表示権侵害に当たるとされた事例
2 原著作物にはない文言の追加や削除は同一性保持権の侵害に当たるが,挿絵や写真を付加して国語テストに複製したことや,著作物に傍線・波線や番号を付加したことは同一性保持権侵害に当たらないとされた事例
3 教材会社から著作権者に対し著作物のある年度の使用状況を記載した文書が送付された場合に,当該著作権者において長期間にわたる無断掲載の事実を知っていたときは,それ以前の損害賠償請求権についても,一体として時効により消滅するとされた事例
[諸 法]
10(大阪高裁平19.10.11判決)
本件各協力金の設定は,その適用を受ける不在区分所有者に不利益を及ぼすものであるが,その必要性及び合理性が認められ,かつ,設定された協力金が当該区分所有関係において社会通念上相当な額であると認められる場合には,当該区分所有者はこれを受忍すべきであり,協力金に関する規約の設定,変更等はその権利に特別の影響を及ぼすものではない
刑事裁判例
[刑 法]
1(東京高裁平20.3.19判決)
強制わいせつ目的で,被害者の両手を後ろ手に縛るなどの暴行を加えた後に被害者の財物を奪取する意図を生じ被害者に気付かれないままこれを奪取した場合に,被告人においてその緊縛状態を解消しない限り,強盗罪が成立するとした事例
2(大阪地裁平19.10.15判決)
囲繞地の周囲の塀は建造物侵入罪(刑法130条前段)の「建造物」に該当せず,警察署の塀によじ上った行為は建造物侵入罪に該当しないとされた事例


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