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判例タイムズ 1278号

誌名: 判例タイムズ 1278号

創刊: 判例タイムズ社
発売日: 2008年11月15日

価格: 2,000円

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雑誌紹介

「判例タイムズ」は、1948年の創刊以来、我が国を代表する判例紹介誌として、幅広い分野の法律実務家から高い評価を受けています。全国の判例情報から実用性の高いものを迅速的確に紹介しつつ、実務家・研究者と連携して時事問題を取り扱った論文・鼎談等をタイムリーに掲載しており、実務家・研究者に限らず、広く法務に携わるすべての人々必見の書です。


概要

記事紹介
◆裁判員が関与する公判審理の在り方/東京地方裁判所公判審理手続検討委員会
同裁判員模擬裁判企画委員会
■裁判員制度のもとにおける控訴審の在り方7・完〔大阪高等裁判所陪席会〕
控訴審の判決/小島正夫・細谷泰暢
「裁判員制度のもとにおける控訴審の在り方」の連載終了に当たって/石井一正
■山形地裁民事実務研究会8
自動車による通行を前提とする民法210条1項に基づく公道に至るための
他の土地の通行権が,一団の土地のうち,一部の土地所有者については
認められ,その余の土地所有者については否定された事例
東京高判平19.9.13判タ1258号228頁/三宅康弘
◆不貞慰謝料請求事件に関する実務上の諸問題/安西二郎
■ブック・レビュー
クリストファー・W・ムーア著(レビン小林久子訳・編)
『調停のプロセス』(原題:The Mediation Process -3ed.)/上原裕之
判例紹介
行政裁判例
[行政法一般]
1(東京地裁平19.8.31判決)
難民不認定処分並びに出入国管理及び難民認定法61条の2の2第2項の在留特別不許可処分を受けた在留資格未取得外国人がした同法49条1項の異議の申出に対する法務大臣の裁決において,当該外国人の難民該当性を看過したことが裁決の違法事由となるか(積極)
[行政争訟法]
2(大阪地裁平19.3.28決定)
1 住民基本台帳法8条に基づく住民票の消除の行政処分性
2 住民基本台帳法8条に基づく住民票の消除の差止めの訴えを本案とする行政事件訴訟法37条の5第2項に基づく仮の差止めの申立てが,本案の訴えに係る処分がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要はあるが,本案について理由があるとみえるときには当たらないとして却下された事例
3六ヶ所低レベル放射性廃棄物訴訟判決(青森地裁平18.6.16判決)
1 低レベル放射性廃棄物埋設事業の許可処分取消訴訟における周辺住民の原告適格
2 低レベル放射性廃棄物埋設事業の許可について,㈰原子力安全委員会若しくは核燃料安全専門審査会の調査審議において用いられた具体的審査基準について不合理な点があるということはできないし,㈪廃棄物埋設施設が上記具体的審査基準に適合するとした調査審議及び判断の過程に看過し難い過誤,欠落があるということはできないから,事業許可処分が違法であるとはいえないとされた事例
[租税法]
4(東京高裁平20.2.28判決)
国内に住所を有しているとしてされた株式譲渡に係る所得税の課税処分が,被処分者が譲渡当時国内に住所を有しておらず,かつ,引き続いて1年以上居所を有しているともいえないから,所得税法2条1項3号の「居住者」に当たらないとして,取り消された事例
[地方自治法]
5(奈良地裁平19.2.28判決)
1 自治会が権利能力なき社団としての実体を備えているとされた事例
2 自治会決議の瑕疵について自治会会員による黙示の追認があったものとされた事例
3 町有財産の無償譲渡について,地方自治法237条2項,96条1項6号の議会の議決の有効性に加え,無償譲渡の合理性等をも踏まえた上で,違法であるということはできないとされた事例
4 町有財産の無償譲渡及び補助金の交付が,補助金交付要綱を濳脱する違法な行為であるということはできないとされた事例
5 町有財産の自治会に対する無償譲渡が,他の自治会との関係で平等原則に違反し違法であるということはできないとされた事例
[情報公開]
6(東京地裁平19.12.26判決)
行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づいてされた開示請求に対し外務大臣が開示決定等をしない不作為が違法であると判断された事例
労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平19.12.13判決)
くも膜下出血の既往歴を有する地方公務員が学校式典の司会中にくも膜下出血を発症して死亡した場合につき死亡と公務との間に相当因果関係はないとされた事例
[民 法]
1(福岡高裁平19.7.24判決)
1 店舗のいわゆる「建て貸し契約」において,賃借人の賃貸人に対する修繕義務違反を原因とする解除が認められなかった事例
2 相当の理由があるとして,同契約の中途解約が認められ,それにより賃貸人が被る損害の填補金額が判断された事例
2(東京地裁平20.3.17判決)
弁護士に対し懲戒相当の議決をした弁護士会の綱紀委員会委員に対する損害賠償請求及び議決の無効確認を求める訴えがいずれも法律上の争訟性がないとして不適法であるとされた事例
3(東京地裁平19.8.28判決)
有価証券報告書に虚偽の記載をしていた株式発行会社の株式が上場廃止されたことによる損害は認められないとして,上場廃止前に株式を取得した株主から,株式発行会社,その代表取締役らに対する損害賠償請求が認められなかった事例
4(東京地裁平19.4.20判決)老人保健施設に入所していた高齢者が施設内で下肢を骨折し,褥瘡を生じたことにつき,施設の運営者に過失があったとされたものの,上記骨折及び褥瘡とその両下肢機能障害及び死亡との間の因果関係は否定された事例
5(仙台高裁平20.5.29判決)
工事用車両通路兼農道をトラクターを運転して走行していた者が,道路から転落し,用水路の側溝とトラクターとの間に挟まれて死亡した事故につき,上記道路の設置又は管理に瑕疵があったと認められないとして,国家賠償請求が認められなかった事例
6(広島高裁平20.6.26判決)
柔道整復師の五十肩の患者に対する治療について,治療上の過誤,転医助言義務の懈怠があったとしてその損害賠償責任が認められた事例
7(名古屋高裁金沢支部平19.10.17判決)
入院患者が絞扼性イレウスによる多臓器不全により死亡した場合,担当医師が絞扼性イレウスの発症を疑うべき根拠があった段階で直ちに開腹手術を決定し,その実施(実施準備)に着手しなかった過失があるとして,病院と医師の不法行為責任が認められた事例
8(東京高裁平20.2.27判決)
子の親権者を母として受理された離婚届書に関し,認定した事実関係の下では,離婚については届書の記載時点で夫にいずれが親権者であっても離婚するとの意思は認められないものの追認により有効であるが,親権者の指定については協議がなく無効とされた事例
[知的財産]
9 抗血栓薬職務発明対価請求訴訟知財高裁判決(知的財産高裁平20.5.14判決)
抗血栓薬などの医薬成分として有用なアルガトロバンの製造方法に係る職務発明の対価を請求する訴訟において請求を認容した事例
[民事訴訟法]
10(横浜地裁平19.9.21決定)
元海上自衛隊員の自殺事件の原因究明・再発防止を目的として作成された文書,人事管理や訓育のために作成された文書など,海上自衛隊内で作成された文書に対して文書提出命令が申し立てられた事案につき,申立文書のうち一部について,民訴法220条4号ロの要件に該当しないとして文書提出命令が認められた事例
[民事執行法]
11(大阪高裁平20.2.28判決)
1 控訴に伴う執行停止の担保により担保される損害賠償請求権の性質
2 控訴に伴う執行停止の申立てにおいて相手方が被る損害について未必的な故意があるとされた事例
3 控訴に伴う執行停止が不法行為となる場合において執行停止決定の後民事再生手続開始決定がされたときの損害の算定
[倒産処理法]
12(大阪地裁平20.8.27判決)
利息制限法を超過する過払金の返還請求につき,旧会社更生法241条により失権したとの主張が信義則に反するとして一部認められなかった事例
刑事裁判例
[刑 法]
1(大阪地裁平19.2.28判決)
見ず知らずの通行人5名に対する殺人,殺人未遂被告事件において,被告人が犯行当時統合失調症に基づく高度の幻覚妄想状態にあって,幻聴に直接支配され,その圧倒的な影響を受けていたから,心神喪失状態であったとの合理的な疑いが残るとして無罪が言い渡された事例


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