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判例タイムズ 1283号

誌名: 判例タイムズ 1283号

創刊: 判例タイムズ社
発売日: 2009年02月01日

価格: 2,000円

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雑誌紹介

「判例タイムズ」は、1948年の創刊以来、我が国を代表する判例紹介誌として、幅広い分野の法律実務家から高い評価を受けています。全国の判例情報から実用性の高いものを迅速的確に紹介しつつ、実務家・研究者と連携して時事問題を取り扱った論文・鼎談等をタイムリーに掲載しており、実務家・研究者に限らず、広く法務に携わるすべての人々必見の書です。


概要

記事紹介
■大阪民事実務研究
公務員に対する懲戒免職処分について
懲戒権者の有する裁量権の範囲をめぐる判例の動向/上田賀代
■現代民事法研究会
民事訴訟のマインド
弁護士と裁判官の立場から/島川 勝
◆弁護士が遺言執行者に就任した場合と利益相反の問題/柏木俊彦
■量刑に関する諸問題〔大阪刑事実務研究会〕
付加刑と量刑(1)/秋山 敬
■世界の司法128――その実像を見つめて
米国におけるInns of Court/田端理恵子
判例紹介
最高裁判例
[租税法]
1(最高裁第二小法廷平20.10.24判決)
法人税の決定を受けた法人が都民税の申告納付をした後に法人税の減額更正がされ,これに伴い都民税の法人税割額について減額更正がされたことにより過納金が生じた場合において,その還付に際して加算すべき還付加算金の算定の起算日が,地方税法(平成14年法律第80号による改正前のもの)17条の4第1項1号の場合と同様に,納付の日の翌日であると解された事例
[刑 法]
2(最高裁第二小法廷平20.5.20決定)
被告人が,自らの暴行により相手方の攻撃を招き,これに対する反撃としてした傷害行為について,正当防衛が否定された事例
行政裁判例
[行政法一般]
1原爆症認定訴訟事件控訴審判決(仙台高裁平20.5.28判決)
1 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づく原爆症認定の要件である,原子爆弾の傷害作用に起因して負傷又は疾病にかかったこと(起因性),疾病等について現に医療を要する状態にあること(要医療性)が認められるとして,原爆症認定申請の却下処分を取り消した1審判決を維持した事例
2 原爆症認定申請の要件の一つである,起因性の判断基準が控訴審の審理段階で変更された場合には,新基準を判断の基礎とするのが相当であるとした事例
3 原爆症認定申請の判断について,審議会等の意見答申を受けてなした厚生労働大臣の却下処分には故意過失がないとして,国家賠償請求を棄却した1審判決を維持した事例 … 74
[行政争訟法]
2(東京高裁平19.5.16判決)
退去命令を受けたが,本邦から退去しなかったため,退去強制令書の発付処分を受けるに至った外国人が,その過程において法務大臣から同大臣に対してした異議の申出に理由がない旨の裁決を受けたところ,当該裁決ないしその前提となっている退去命令には,当該退去命令以前に退去を強制された外国人と原告とが同一人ではないのに,これを同一人と誤認した瑕疵があるなどと主張して,裁決及び退去強制令書発付処分の取消しを求めた場合において,当該退去命令以前に退去を強制された外国人と原告とが同一人であることは明らかであるなどとして,原告の請求を棄却した事例
[国家補償法]
3(仙台高裁平20.3.19判決)
県費負担教職員の違法行為により発生した賠償債務を支払った県が,学校の設置者である市に対して,国家賠償法3条2項に基づき求償権を行使した事案について,同項に規定する「内部関係でその損害を賠償する責任ある者」について判断を示した事例
[租税法]
4(東京高裁平20.1.23判決)
日本国から香港に移住し,外国法人の出資口数の贈与を受けた者が日本国内に住所を有していたとして贈与税の決定が適法とされた事例
労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平20.9.10判決)
退職年金規定に基づく適格年金制度の廃止等が,年金受給者に対する債務不履行とはならないとされた事例
民・商事裁判例
[民 法]
1(大阪高裁平20.3.26判決)
1 直接の契約関係のない建築資材(シーリング剤)のメーカーが,ユーザーである建設会社に対して,契約締結に必要な情報を提供するという目的で当該製品の売買契約の交渉に関与した場合は,信義則上,ユーザーが当該製品の売買契約を締結するか否かにつき誤った意思決定を下すことがないように必要な説明をする義務を負うと判断した事例
2 メーカーが,ユーザーに対して,当該製品(シーリング剤)と塗料との密着性について,相性があるので,使用前に確認を行う必要があるとの説明義務を負わないと判断された事例
2(千葉地裁平19.8.30判決)
たこ焼き店のフランチャイズ契約の締結に際して,フランチャイザーが,自営業を営んだことのない主婦のフランチャイジー候補者(加盟候補者)に対し,その自己資金だけでは開業することが困難となるであろうことを告げず,初期投資総額の見込額等を記載した文書を交付せずに,加入金等を入金させた後にその不返還を定めた契約書に署名押印させるなどしたことが,加盟候補者に対し同契約を締結してフランチャイジーになるか否かにつき自由に意思決定をするに足りる必要かつ十分な情報を適時かつ正確に提供・開示すべき信義則上の義務を尽くしたとはいえないと判断するなど,フランチャイズ契約で問題となる多数の争点につき判断した事例
3(東京地裁平20.8.26判決)
弁護士による弁護士法58条1項に基づく弁護士会に対する懲戒請求及び訴訟提起がいずれも不法行為に該当しないとされた事例
4(東京地裁平20.6.30判決)
1 原告が商品先物取引業者に委託して商品先物取引を行い損失を被った場合に,商品先物取引業者と従業員の不法行為責任が認められた事例
2 商品先物取引の経験を有している者についても,新規委託者保護義務の趣旨が妥当するとした事例
5(東京地裁平20.2.13判決)
週刊誌に記載された記事の内容が原告の音楽著作権管理業務の正当性を疑わせる印象を与えるなどとして名誉毀損に基づく損害賠償請求が一部認められた事例
6(名古屋地裁平19.10.16判決)
1 レンタカー会社からレンタカーの提供を受けた者からレンタカー会社に無断でレンタカーを借り受けた者が,その返還期限後に起こした事故について,レンタカー会社に自動車損害賠償保障法3条の運行供用者責任が認められないとされた事例
2 自動車保険契約に附帯された人身傷害補償特約に基づき被保険者に保険金を支払った保険会社が加害者に保険代位する範囲について,保険会社の支払った保険金はまず損害額のうち被保険者の過失割合に対応する額に充当され,保険会社は,その支払った保険金の額が被保険者の過失割合に対応する額を上回る場合にその上回った額について加害者に対する損害賠償請求権を取得するとされた事例
7(東京地裁平19.8.24判決)
被告病院の担当医師には,患者の訴える症状から大腸癌を疑い,下部消化管検査を実施すべき義務を怠った過失があったと認められ,この過失がなければ,大腸癌を発見することができ,化学療法によって患者の生存期間を延長できた相当程度の可能性があったとして,原告らの債務不履行に基づく損害賠償請求の一部が認容された事例
[商 法]
8(千葉地裁平20.3.27判決)
1 火災保険の目的物である建物に生じた火災が,被保険者の故意により生じたとは認められないとして,保険金支払についての免責が否定された事例
2 保険料分割払特約が付されている火災保険契約において,保険契約者が保険金の支払を受ける以前に未払込分割保険料を一時に払い込まなければならない旨の特約がある場合,上記特約は,保険金支払債務の履行期後に払込期限が到来する未払込分割保険料債務につき,保険会社において,保険金支払債務と相殺することを可能にすべく,未払込分割保険料債務の期限の利益を喪失させることを定めた規定と解すべきであり,未払込分割保険料債務に先履行義務を定めたものと解することはできないとされた事例
3 未払込分割保険料債務と保険金支払債務は,同時履行の関係にあるものとは認められず,保険金支払債務のうち,相殺により消滅した未払込分割保険料相当額を控除した残額については,履行期の経過により遅滞に陥っているとされた事例
[知的財産]
9(東京地裁平20.3.13判決)
八坂神社の祇園祭の写真に依拠して水彩画を制作した行為は,当該写真の翻案権を侵害するとされた事例
10(東京地裁平19.5.25判決)
会社の代表取締役らが行った流通・販売業者向け商品説明会における説明等が不正競争防止法2条1項14号所定の営業上の信用を害する虚偽事実の告知に当たるとして,その差止め及び損害賠償の一部を認容するとともに,信用回復措置として説明会に出席した業者に対する訂正文の送付を命じた事例
[諸 法]
11(東京地裁平19.11.28判決)
監査報告書において粉飾された計算書類に適正意見を付した公認会計士である会計監査人につき商法特例法10条の責任を否定した事例
刑事裁判例
[特別刑法]
1(東京地裁平20.2.22判決)
1 通勤電車内で爆発物であるTATPを爆発させる意図であったとの被告人の捜査段階の自白の信用性を否定した事例
2 TATPの製造並びに同TATP及び爆発物の使用に供すべき器具の所持につき,人の身体,財産を害する目的を有していたとは認められず,爆発物取締罰則3条違反の罪の成立を否定した事例
3 TATPの製造及び所持につき,人の財産を害する目的がなかったことの証明がなされたとはいえないとして,爆発物取締罰則6条違反の罪の成立を肯定した事例
[刑事訴訟法]
2(大阪地裁平19.3.12判決)
現金輸送車の警備員に対し未必の殺意をもってけん銃を発射し現金を強取した強盗殺人未遂等の事件について,情況証拠の積み重ねにより被告人が犯人であると認定された事件


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