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判例タイムズ 1288号

誌名: 判例タイムズ 1288号

創刊: 判例タイムズ社
発売日: 2009年04月01日

価格: 2,000円

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雑誌紹介

「判例タイムズ」は、1948年の創刊以来、我が国を代表する判例紹介誌として、幅広い分野の法律実務家から高い評価を受けています。全国の判例情報から実用性の高いものを迅速的確に紹介しつつ、実務家・研究者と連携して時事問題を取り扱った論文・鼎談等をタイムリーに掲載しており、実務家・研究者に限らず、広く法務に携わるすべての人々必見の書です。


概要

記事紹介
◆裁判員制度の下における控訴審の在り方について
/東京高等裁判所刑事部 陪席裁判官研究会〔つばさ会〕
◆講演 調停の現状と展望/星野雅紀
◆岐阜地方裁判所多治見支部における倒産事件処理の現状について
/榊原信次
■独占禁止法の新たな展開1
大陸法系の手続法へ/村上政博
判例紹介
最高裁判例
[民 法]
1(最高裁第二小法廷平20.11.7判決)
痴漢の虚偽申告を理由とするXのYに対する損害賠償請求訴訟において,目撃者が見付からない場合に,これに準ずる立場にある者の証人尋問を実施せず,Yの供述の信用性を肯定して,Xが痴漢行為をしたと認めた原審の判断に違法があるとされた事例
2(最高裁第三小法廷平20.10.7判決)
交通事故の加害者Yが被害者Xに賠償すべき人的損害の額の算定に当たり,Xの父が締結していた自動車保険契約の人身傷害補償条項に基づきXが支払を受けた保険金の額を控除した原審の判断に違法があるとされた事例
[商 法]
3(最高裁第一小法廷平21.1.15決定)
子会社の会計帳簿等の閲覧謄写許可申請をした親会社の株主につき,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)293条の8第2項が不許可事由として規定する同法293条の7第2号に掲げる事由があるというためには,当該株主に閲覧謄写によって知り得る情報を自己の競業に利用するなどの主観的意図があることを要するか
行政裁判例
[国家補償法]
1(東京地裁平19.10.22判決)
住民基本台帳ネットワークシステムの導入によるプライバシー権等の侵害や市長の法令改正廃止要求義務違反等を理由とする慰謝料請求が棄却された事例
民・商事裁判例
[民 法]
1(大阪地裁平20.7.31判決)
保証人が名義貸しによって借主欄に署名押印した金銭消費貸借契約書は民法446条2項所定の書面に当たる
2(東京地裁平19.8.24判決)
1 弁護士に対する訴訟委任をなした場合には,民法648条1項の規定にかかわらず,特約がなくとも黙示の合意による報酬支払義務を認めるべきである
2 その場合の報酬額は,事件の難易,訴額及び労力の程度,依頼者との平生からの関係,その他諸般の状況をも審査し,当事者の意思を推定した上で相当報酬額を算定すべきである
3(東京地裁平20.12.10判決)USEN対キャンシステム事件
業界1位の会社が,2位の会社の従業員を大量かつ一斉に引き抜いた上,2位の会社の顧客に対し差別対価(昭和57年公正取引委員会告示第15号「不公正な取引方法」3項)を提示して大量にその顧客を奪取した行為が,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律2条5項及び3条に違反するとともに,不法行為に当たるとして,20億円の損害賠償請求が認容された事例
4(東京地裁平20.10.1判決)
1 インターネット上の掲示板に第三者による投稿が自動的に公開される管理体制が採られていた場合において,掲示板を開設し管理する者は,一見して第三者に対する誹謗中傷を含むなど第三者の名誉を毀損することが明らかな内容の投稿については,上記内容の投稿を具体的に知ったときには,第三者による削除要求なくして削除義務を負うが,これに至らない内容の投稿については,第三者から削除を求める投稿を特定した削除要求があって初めて削除義務を負うとされた事例
2 インターネット上の掲示板が管理者による投稿内容の確認を経て公開される体制の下において,掲示板に第三者の名誉を毀損する投稿がされた場合は,掲示板の管理者は,当該投稿を公開しない条理上の義務を負い,これに反して当該投稿を公開した場合には,速やかにこれを削除すべき条理上の義務を負うとされた事例
3 インターネット上の掲示板における対抗言論の抗弁が否定された事例
4 使用者に関する表現行為が名誉毀損に当たる場合において,正当な組合活動としての違法性阻却事由が認められないとされた事例
5(岡山地裁平20.2.26判決)
手掌多汗症治療のため行われた内視鏡下両側胸部交感神経焼灼手術後に,従来報告のなかった脳梗塞が生じた場合において,病院側に義務違反がないとして,患者の求めた債務不履行に基づく損害賠償請求が棄却された事例
[商 法]
6(東京地裁平19.7.25判決)
分離保管義務違反等により行政処分を受け破綻した商品先物取引会社の行った商品先物取引について違法が認められ,当該会社が損害賠償義務を負う場合の,改正前商法266条ノ3に基づく代表取締役ないし取締役の責任につきその一部の者に対しこれを認め,法人格否認の法理等に基づく持株会社の責任を否定した事例
7(東京地裁平20.10.15判決)
被保険者が運転する自動車の事故が,自殺目的で事故を惹起し死亡したものとして,傷害保険契約に基づく保険金請求が棄却された事例
[知的財産]
8(大阪地裁平20.3.11判決)ダックス商標権侵害事件
1 商標権侵害による信用毀損の無形損害の額を200万円と算定した事例
2 商標権侵害行為について謝罪広告を命じた事例
9(東京地裁平19.12.20判決)
被告が原告の取引先に被告の特許権を侵害している旨告知した行為が,不正競争防止法2条1項14号の「虚偽の事実」に該当しないとして,差止請求を棄却した事例
[諸 法]
10(東京地裁平19.11.14判決)
マンションの区分所有者が管理費及び修繕積立金を滞納し続けた行為が建物の区分所有等に関する法律6条1項の共同利益背反行為に当たるとして当該区分所有者の専有部分について同法59条1項に基づく競売請求が認められた事例
[民事執行法]
11(東京高裁平20.10.1決定)
債権差押命令の申立て前に,債務者が執行停止文書を執行裁判所に提出し,執行裁判所が事実上これを受理したとしても,債権差押命令の申立てには何ら影響を及ぼさないとした事例
12(東京高裁平20.7.30決定)
新築分譲用マンションの全室を転貸目的で所有者から一括して賃借し,それらを第三者に使用させようとした者に対し,民事執行法55条1項2号の保全処分を認めた原決定が維持された事例
刑事裁判例
[刑 法]
1(東京地裁平19.9.28判決)酒販組合年金基金横領等事件
酒販組合中央会の事務局長が,同団体の年金資金の約7割に当たる144億円余りを商品内容や適切な投資規模等を検討しないまま危険性の高い1つの金融商品に年金資金の運用として投資した行為につき,上記投資により年金資金の運用として通常許容される限度を超えたリスクを同会に負わせたことが刑法247条にいう「財産上の損害」に当たるとされた事例


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