雑誌バックナンバー
判例タイムズ 1295号

誌名: 判例タイムズ 1295号

創刊: 判例タイムズ社
発売日: 2009年07月01日

価格: 2,000円

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雑誌紹介

「判例タイムズ」は、1948年の創刊以来、我が国を代表する判例紹介誌として、幅広い分野の法律実務家から高い評価を受けています。全国の判例情報から実用性の高いものを迅速的確に紹介しつつ、実務家・研究者と連携して時事問題を取り扱った論文・鼎談等をタイムリーに掲載しており、実務家・研究者に限らず、広く法務に携わるすべての人々必見の書です。


概要

記事紹介
■公判前整理手続に関する諸問題2〔大阪刑事実務研究会〕
公判前整理手続の実施(進行)に関する問題/岩倉広修
■ケースブック民事訴訟活動・事実認定と判断
――心証形成・法的判断の過程とその解説(3)/瀬木比呂志
■判例展望民事法39
敷金をめぐる裁判例と問題点/宮永忠明
◆横浜地裁における医療訴訟の審理の実情
専門委員制度及び鑑定人選任手続等の運用について/太田雅之・中島真希子・多田雅子
◆主要目的ルールに関する裁判例の検討
クオンツ新株発行差止認容決定事件(@事件)
オープンループ新株等発行差止却下決定事件(A事件)/若松 亮
■独占禁止法の新たな展開4
国際取引への法適用/村上政博
■続・元裁判官の書斎(7)
司馬遼太郎『翔ぶが如く』(文春文庫,全10巻)/倉田卓次
■ブック・レビュー
民法の共有を目指して
能見善久=加藤新太郎編『論点体系・判例民法9親族/10相続』/水野紀子
◆賃料増減請求訴訟をめぐる諸問題〔補訂版〕/山下 寛・上田卓哉・土井文美・森里紀之
判例紹介
特 報
[地方自治法]
1(大阪地裁平20.10.31判決)枚方市非常勤職員特別報酬住民訴訟
1 地方自治法242条の2第1項4号に基づき当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを求める訴えにおいて,当該職員又は相手方がその氏名等でもって特定表示されていない場合であっても,これを氏名等以外の方法で客観的に特定することができるときは,当該訴えは請求の特定に欠けるところがない適法な訴えと解するのが相当であるとされた事例
2 地方自治法204条1項にいう常勤の職員とは,その勤務の態様に照らして当該勤務が当該職員及びその家族の生計を支えるいわゆる生活の糧を得るための主要な手段と評価し得るような職務に従事する職員をいい,1週間当たりの勤務時間数が常勤の職員の1週間当たりの勤務時間数の4分の3を超えるような態様の勤務に従事する職員は,同項にいう常勤の職員に該当するものと推定されるとされた事例
3 「非常勤職員」に対し「特別報酬」名目の給与を支給することを定めた地方公共団体の条例の規定が,当該特別報酬は地方自治法204条2項にいう期末手当又は退職手当に該当するが,同条例がその支給の対象として規定する非常勤職員は地方地自法204条1項にいう常勤の職員に該当するものをいうと合理的に解することができるから,その限りにおいて,同条2項の規定に違反するものということはできないとされた事例
4 地方自治法204条1項にいう常勤の職員に該当する「非常勤職員」に対する期末手当及び退職手当に該当する「特別報酬」について,算定の基礎となる額の上限及びこれに乗じるべき掛け率の上限あるいは支給額の上限のみを定めた地方公共団体の条例の規定が,およそ個々の非常勤職員に対する支給額を決定するに当たっての具体的な基準についての定めを欠くものというほかないとして,地方自治法204条3項,204条の2,地方公務員法25条1項等の規定する給与条例主義に違反するとされた事例
5 地方公共団体の長が,専決権限を付与された職員が給与条例主義に違反する条例の規定に基づいて公金の支出を専決処理するのを阻止することなく放置していたことについて,過失が認められた事例
6 地方公共団体の職員が,その専決権限に基づいて給与条例主義に違反する条例の規定に基づく公金の支出を専決処理したことについて,過失は認められないとされた事例
最高裁判例
[民 法]
1(最高裁第二小法廷平21.3.27判決)
譲渡禁止の特約に反して債権を譲渡した債権者が譲渡の無効を主張することの可否
2(最高裁第三小法廷平21.3.24判決)
相続人のうちの1人に対して財産全部を相続させる旨の遺言がされた場合において,遺留分の侵害額の算定に当たり,遺留分権利者の法定相続分に応じた相続債務の額を遺留分の額に加算することの可否

[商 法]
3(最高裁第三小法廷平21.3.10判決)
株主代表訴訟の対象となる商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)267条1項にいう「取締役ノ責任」には,取締役が会社との取引によって負担することになった債務についての責任も含まれるか
[倒産処理法]
4(最高裁第三小法廷平20.12.16判決)
いわゆるフルペイアウト方式によるファイナンス・リース契約中の,ユーザーについて民事再生手続開始の申立てがあったことを契約の解除事由とする旨の特約の効力
[刑 法]
5(最高裁第二小法廷平21.1.14決定)
保険金目的による被殺者2名の殺人の事案につき,無期懲役の量刑が維持された事例
6(最高裁第一小法廷平20.10.16決定)
刑法(平成19年法律第54号による改正前のもの)208条の2第2項後段にいう赤色信号を「殊更に無視し」の意義
行政裁判例
[国家補償法]
1(東京高裁平21.1.29判決)
いわゆるNシステム等による車両ナンバーの読み取り等につき,肖像権,自由に移動する権利及び自己情報コントロール権の侵害が否定され,国の不法行為責任が認められなかった事例
2(大阪地裁平20.9.26判決)
1 外国籍生徒に中学校への就学義務がないと判断された事例
2 中学校校長が,中学校に在籍する外国籍生徒の親権者から提出された退学届を受理する際に,退学と転学の違い等について,当該生徒自身に何も説明しなかったことが違法とされた事例
[租税法]
3(大阪地裁平20.7.24判決)
外国法人を買主とする造船契約において,売主から買主に船舶が引き渡される前に同契約が解除されたことにより,売主から外国法人に対し,同契約の約定により,既に受領していた分割払金の返還とともに本件分割払金に対する約定の割合に基づく金員の支払がされた事案について,同金員が所得税法161条6号所定の「貸付金(これに準ずるものを含む。)」の「利子」には該当せず,外国法人の国内源泉所得に該当しないとして,これに該当することを前提としてされた源泉徴収に係る所得税の納税告知処分及び不納付加算税賦課決定処分が取り消された事例
民・商事裁判例
[民 法]
1(大阪地裁平20.5.26判決)過重な業務とうつ病ないしうつ状態の発症との間の因果関係を肯定した上,Xの勤務態度を勘案し,民法418条を類推適用して,損害の3分の1を減額した事例
2(東京地裁平20.3.12判決)
1 房総半島の海岸に建築されたプレハブ式の倉庫の建築請負契約において,同敷地の環境下においても雨漏り防止はもちろん倉庫内における湿度の上昇やカビの繁殖の防止に配慮した倉庫としての基本的性能を有することが契約の内容になっていたとされた事例
2 同プレハブ式の倉庫の瑕疵により,保管物の水濡れ,加湿,カビの発生により生じた損害の損害額の認定について,民事訴訟法248条が適用された事例
3(東京地裁平20.7.31判決)信越放送取材ヘリ墜落事故事件
テレビ局所属の記者がヘリコプターに搭乗して取材中,ヘリコプターが送電線に接触して墜落,炎上し,当該記者が死亡した事故につき,送電線を設置・管理していた電力会社には,送電線に航空障害標識を設置するのを怠った責任(工作物責任)を肯定する一方で,ヘリコプター取材を命じたテレビ局の安全配慮義務違反,及び国の国家賠償責任(送電線の管理者に航空障害標識を設置させるよう行政権限を行使すべき義務違反)を否定した事例
4(神戸地裁平19.4.10判決)
急性心筋梗塞の患者が転送措置の途中で心室細動により死亡した場合,転送措置の開始が約70分遅延したとして転送義務違反の責任が認められた事例
[民事執行法]
5(東京地裁平20.11.17判決)
権利能力なき社団を債務者とする金銭債権の債務名義を有する債権者が,当該社団の資産である不動産に対し強制執行するため,当該社団の構成員でない第三者を債務者とする執行文の付与を求めることはできないとされた事例
刑事裁判例
[刑 法]
1(東京高裁平20.5.15判決)大型ディスカウントショップ等連続放火事件
大型ディスカウントショップ等に対する連続放火事案について,前頭側頭型認知症(ピック病)の影響により完全責任能力が認められないとの主張が排斥された事例


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