雑誌バックナンバー
判例タイムズ 1311号

誌名: 判例タイムズ 1311号

創刊: 判例タイムズ社
発売日: 2010年02月01日

価格: 2,000円

この号の購入はこちら
最新号の購入はこちら


雑誌紹介

「判例タイムズ」は、1948年の創刊以来、我が国を代表する判例紹介誌として、幅広い分野の法律実務家から高い評価を受けています。全国の判例情報から実用性の高いものを迅速的確に紹介しつつ、実務家・研究者と連携して時事問題を取り扱った論文・鼎談等をタイムリーに掲載しており、実務家・研究者に限らず、広く法務に携わるすべての人々必見の書です。


概要

記事紹介
■民事手続法判例研究(1)
反訴請求債権を自働債権とする相殺の抗弁
最高裁平成16年(受)第519号 損害賠償等請求本訴,請負代金等請求反訴事件/河野正憲
ケースブック民事訴訟活動・事実認定と判断
─心証形成・法的判断の過程とその解説(9)/瀬木比呂志
■独占禁止法の新たな展開11
刑事手続/村上政博
保険金請求訴訟における「人為性」または「非人為性」の証明構造に関する一考察(上)/林 昭一
欧州知的財産訴訟の最新事情
ドイツ特許法改正とクロスボーダー訴訟の現在(下)/菊地浩明
■公判前整理手続に関する諸問題8[大阪刑事実務研究会]
争点整理・証拠厳選等に関する諸問題(上)/秋山 敬
判例紹介
最高裁判例
[租税法]
1(最高裁第一小法廷平21.10.29判決)
いわゆるタックス・ヘイブン対策税制である租税特別措置法(平成12年法律第97号による改正前のもの)66条の6第1項は,日星租税条約7条1項に違反するか
[刑 法]
2(最高裁第二小法廷平21.10.19判決)
銃刀法違反被告事件につき,けん銃等所持の共謀が認められないとした第1審判決及びこれを是認した原判決に重大な事実誤認の疑いがあるとして破棄し,事件を第1審に差し戻した事例
[特別刑法]
3(最高裁第二小法廷平21.7.7決定)
1 児童ポルノを,不特定又は多数の者に提供するとともに,不特定又は多数の者に提供する目的で所持した場合の罪数
2 児童ポルノであり,かつ,刑法175条のわいせつ物である物を,不特定又は多数の者に販売して提供するとともに,不特定又は多数の者に販売して提供する目的で所持した行為が,全体として一罪とされた事例
[刑事訴訟法]
4(最高裁第二小法廷平21.10.16判決)
被告人の検察官調書の取調べ請求を却下した第1審の訴訟手続について,同調書が犯行場所の確定に必要であるとして,その任意性に関する主張立証を十分にさせなかった点に審理不尽があるとした控訴審判決が,刑訴法294条,379条,刑訴規則208条の解釈適用を誤っているとされた事例
行政裁判例
[行政法一般]
1(名古屋高裁金沢支部平21.8.19判決)
1 温泉法(平成19年法律第31号及び同第121号による改正前のもの。以下,単に「法」という)3条1項に基づく温泉の掘削許可申請を,法4条1項2号に該当するとして不許可とした処分行政庁である県知事の処分が,裁量権の範囲を超えて違法であると判断された事例
2 上記申請については,合理性のある裁量判断として法4条1項所定の不許可事由が存在すると認めることができる場合ではなく,処分行政庁がこれを許可しないことは裁量権の範囲を超えており,処分行政庁は,上記申請を許可しなければならないとして,行政事件訴訟法3条6項2号の義務付けの訴えが認容された事例
[行政争訟法]
2(東京地裁平20.12.25判決)
独立行政法人都市再生機構が施行する第一種市街地再開発事業に係る施行規程及び事業計画の変更で新たな施行地区の編入を伴わないものについて国土交通大臣がした認可と抗告訴訟の対象
[地方自治法]
3(名古屋地裁平21.2.26判決)
市発注の土木工事等の競争入札において談合が行われたと認定し,各土木工事等について予定価格の約15%の損害額を算定した事例
労働裁判例
[集団的労働関係]
1(東京地裁平21.6.25判決)
1 単位労働組合の下部組織である組合支部についても,当該組合支部限りの交渉事項に当たるものについては,組合本部の統制に服するものの独自に団体交渉を行う権限があり,組合東京支部による団体交渉申入れの交渉議題は,東京支店に係る組合東京支部限りの交渉事項であり,組合本部が組合東京支部の団体交渉権限に制約を加えていたとはいえないから,組合東京支部と使用者との間の義務的団体交渉事項であるとされた事例
2 使用者には,組合支部限りの団体交渉事項について,組合支部との間で個別の団体交渉に応じる義務があり,組合支部が組合本部及び組合各支部が提示した団体交渉の議題を一括して取り上げるという連名方式による団体交渉を拒否しているのに,使用者が連名方式による団体交渉に固執して実質的な交渉に入れなかった場合には,使用者が当該組合支部との間の団体交渉を実質的に拒否したものと評価できるとされた事例
民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平21.4.7判決)
1 Yの営業の自由を制限する規定や,Xの自由終了権を認める規定等を含む「SUBLEASE AGREEMENT」と題する契約が,共同経営を目的とする業務執行参加型・非典型的匿名組合契約ではなく,Yが賃料支払義務を負う賃貸借契約であると認められた事例
2 転貸人・転借人間の転貸賃料が賃貸人・賃借人間の賃料の7倍を超える転貸借契約について,賃料支払合意が公序良俗に違反しないとされた事例
2(大阪地裁平21.8.31判決)
1 アスベスト吹き付け建材を使用した建物(店舗)で就労していた男性が悪性胸膜中皮腫に罹患し,死亡したことについて,建物賃貸人兼所有者に民法717条1項の工作物責任を認めた事例
2 アスベスト吹き付け材が施工されている建物について設置,保存上の瑕疵を認め,建物の賃貸人兼所有者を民法717条1項にいう「占有者」に当たると判断した事例
3(知的財産高裁平21.8.27判決)ピンク・レディー事件控訴審判決
1 著名人の氏名・肖像の使用が違法性を有するか否かの判断基準
2 雑誌記事に芸能人の写真が無断で使用されたことについて,当該芸能人が社会的に顕著な存在に至る過程で許容することが予定されていた負担を超えて自らの氏名・肖像を排他的に支配する権利が害されているものということができないとして損害賠償請求が認められないとされた事例
4(名古屋地裁平21.4.24判決)
原告の経理担当者が原告の資金を不正流用して行った外国為替証拠金取引について,取引を担当していた被告が取引当初から不正流用を知っていたと認定したうえで,被告が取引によって不正行為を誘発させないように配慮する義務に違反したとして,原告に対する直接の不法行為に基づく損害賠償責任を認めた事例
5(東京地裁平21.4.16判決)
昭和61年の交通事故による高次脳機能障害と現在の労働能力喪失との因果関係を肯定した上で,民法722条類推適用により,減責を認めた事例
6(東京高裁平21.8.6判決)
認知症の老人のした養子縁組届出が縁組意思を欠き無効とされた事例
[商 法]
7(東京地裁平21.5.13判決)
保険金請求訴訟において,当該火災が原告の故意により生じたものであるという抗弁が排斥された事例
[知的財産]
8(東京地裁平21.2.27判決)
1 編集物の創作性の有無について判断した事例
2 編集著作物の全部を複製しなくても編集著作権を侵害するとした事例
3 編集著作物の編集に関与した者の編集著作権を否定した事例
4 著作権を侵害する行為によって作成されたものを情を知って頒布したと認めた事例
[諸 法]
9(東京地裁平21.6.29判決)
1 委託者指図型投資信託において,受託者は,信託終了後に信託財産に関して支出した費用について,民法650条や旧信託法64条,54条,36条に基づき,委託者にその償還を請求することはできない
2 委託者指図型投資信託において,委託者が,受託者に対し,信託終了後に費用負担が生じるリスクがある旨の情報を提供すべき信義則上の付随義務があり,委託者においてこの義務に違反する債務不履行があったとされた事例
[民事執行法]
10(東京高裁平21.6.30決定)
一括売却の決定をせずに個別売却を実施したことが売却の手続に重大な誤りがあるとはいえず,売却許可決定の取消しが認められなかった事例
刑事裁判例
[刑事訴訟法]
1(東京地裁平21.7.13決定)
刑事訴訟法227条1項に基づく第1回公判期日前の証人尋問において宣誓を拒否した証人に対して過料が命じられた裁判に対して,証人尋問が同項の要件を満たしていないことを理由として,同証人が準抗告を申し立てることの適否


カテゴリー: ??к
inserted by FC2 system