雑誌バックナンバー
判例タイムズ 1324号

誌名: 判例タイムズ 1324号

創刊: 判例タイムズ社
発売日: 2010年08月01日

価格: 2,000円

この号の購入はこちら
最新号の購入はこちら


雑誌紹介

「判例タイムズ」は、1948年の創刊以来、我が国を代表する判例紹介誌として、幅広い分野の法律実務家から高い評価を受けています。全国の判例情報から実用性の高いものを迅速的確に紹介しつつ、実務家・研究者と連携して時事問題を取り扱った論文・鼎談等をタイムリーに掲載しており、実務家・研究者に限らず、広く法務に携わるすべての人々必見の書です。


概要

【記事紹介】
動産売買先取特権と動産競売開始許可の裁判(下)
ー動産競売開始許可の裁判の創設による裁判実務と理論の融合/園尾隆司
裁判所と日弁連知的財産センターとの意見交換会(平成21年度)
知財高裁における最近の審理と裁判例等について/中平 健
統計数字等に基づく東京地裁知財部の実情について/清水 節
東京地裁労働部の事件概況/松田典浩
判例展望民事法 45
いじめをめぐる裁判例と問題点/蛭田振一郎/中村 心
【判例紹介】
特 報
[租税法]
1生命保険年金二重課税訴訟(最高裁第三小法廷平22.7.6判決)
1 相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)3条1項1号の規定によって相続により取得したものとみなされる生命保険契約の保険金で年金の方法により支払われるもの(年金受給権)のうち有期定期金債権に当たるものにおいて,当該年金受給権に係る年金の各支給額は,所得税の課税対象となるか
2 所得税法(平成18年法律第10号による改正前のもの)207条所定の生命保険契約等に基づく年金の支払をする者は,当該年金が同法の定める所得として所得税の課税対象となるか否かにかかわらず,その年金について所得税の源泉徴収義務を負うか
速 報
[行政争訟法]
1(福岡高裁那覇支部平22.3.19決定)
生活保護を開始して生活扶助等を支給することの仮の義務付けを求める申立てについて,申立人の困窮状態にかんがみ,同申立てには,償うことのできない損害を避けるための緊急の必要性があり,かつ,本案について理由があるとみえるとして,処分行政庁に対し,生活保護を仮に開始し,保護の程度につき疎明された限度で生活扶助等を行うよう命じた原決定に対する即時抗告を棄却した事例
最高裁判例
[刑事訴訟法]
1(最高裁第三小法廷平22.3.16決定)
高等裁判所の判決中の判断がその上告審である最高裁判所の決定において否定された場合における上記判決の刑訴法405条3号の「判例」該当性
憲法裁判例
[憲 法]
1(大阪高裁平21.12.28判決)
1 衆議院議員選挙(小選挙区)において,選挙区間の投票価値の較差が2倍を超えるに至った場合は,当該状態は原則として違憲と推定され,このような較差が生じることを回避することができない特段の事情に関する主張,立証がない限り,違憲との評価を受けるというべきである
2 衆議院議員選挙区画定審議会設置法3条2項の1人別枠方式は,平成21年の衆議院議員選挙の時点では憲法の趣旨に反しており,上記規定に基づいて選挙区を確定して行われた平成21年の衆議院議員選挙(小選挙区)は違法である
行政裁判例
[国家補償法]
1(さいたま地裁平21.12.16判決)
市立保育所に入所中の児童が保育所内で熱中症で死亡した事故について,保育士に重大な過失があったとして市の国家賠償責任が認められた事例
[租税法]
2(東京地裁平21.11.12判決)
外国法人のスピンオフによりその株主が取得することとなった別の外国法人の株式が,所得税法(平成19年法律第6号による改正前のもの)24条1項所定の配当所得又は同法25条1項3号所定のみなし配当所得に該当するとされた事例
労働裁判例
[個別的労働関係]
1(神戸地裁平21.11.20判決)
倉庫会社の貨物を運搬するトラクター運転手が退職後中皮腫により死亡したことにつき,会社の安全配慮義務違反に基づく損害賠償責任が認められた事例
民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平21.6.17判決)
1 清算会社に対する金銭消費貸借契約における増担保条項に基づく増担保の応諾請求等が認められなかった事例
2 共有者の1人がその持分の上に抵当権を設定しており,その共有物について現物分割がされ,共有者間において持分の移転が生じた場合に,抵当権設定者が分割により取得した部分に抵当権が集中するということはできないとした事例
2(東京地裁平21.9.1判決)
不動産流動化スキームの一環として締結された信託受益権の売買契約において,代金支払日までに買主が貸付けを受けられない場合等には同契約が失効するとの条項があり,かつ,同条項により同契約が失効する蓋然性が高いときは,契約書で買主が受託者を指定するとされていても,買主はその義務を負わないとされ,売主の債務不履行に基づく違約金等の本訴請求が棄却され,買主の手付金返還の反訴請求が認容された事例
3(名古屋簡裁平21.6.4判決)
定期建物賃貸借契約において,敷金全額を控除する旨の特約が,消費者契約法10条により無効であるとされた事例
4(東京地裁平21.10.26判決)
金融商品への出資を行う旨の匿名組合契約の締結を勧誘した仲介会社の従業員の行為が,適合性の原則から著しく逸脱するものであったとして,仲介会社と従業員につき不法行為責任が認められた事例(過失相殺なし)
5(千葉地裁平20.10.27判決)
商品先物取引の勧誘を行った商品取引会社の従業員に説明義務違反があったとして,同会社と従業員の不法行為責任が認められた事例
6(東京高裁平22.3.10判決)
被相続人は生前婚姻をしたことがなく,相続人が実子である非嫡出子と養子である場合において,非嫡出子が被相続人の全財産を相続した養子に対して遺留分減殺請求権を行使した事案について民法1044条,900条4号ただし書前段を準用することは違憲であるとされた事例
[商 法]
7(宇都宮地裁平22.3.15判決)
事業を譲り受けた会社につき会社法22条1項に基づく責任が認められ,その際,債権者の認識等は問題とならないとされた事例
8(東京高裁平21.10.28判決)
保険契約者であって被保険者ではない者が故意により保険事故を招致した場合においても,それが信義則及び公益に違反すると評価されるときは,故意免責により保険者には保険金支払義務はないとされた事例
[知的財産]
9(知的財産高裁平22.3.30判決)
「携帯型コミュニケータおよびその使用方法」に関する特許権の侵害訴訟において,被告製品が特許発明の技術的範囲に属さず,均等侵害も成立しないとして控訴を棄却した事例
10(東京地裁平22.1.27判決)
水系ゲル化剤および水系ゲルについての発明に係る特許権の侵害訴訟において,被告の製造,販売したゲルタイプ芳香剤が発明の技術的範囲に属さないとして,原告の損害賠償請求が棄却された事例
[民事訴訟法]
11(福岡高裁平21.7.7判決)
本訴請求が前訴確定判決の既判力に抵触するとして訴えを却下した原判決を取り消し,原審に差戻した事例
[民事執行法]
12(東京高裁平21.12.16決定)
平成15年法律第134号の附則第5条が定める経過措置の適用を受ける賃貸借が,改正法施行後に開始された不動産競売開始決定を原因とする差押登記後に期間満了により更新されたことから,賃借人が,当該更新を抵当権者に対抗できず,抵当権者に対抗できない賃貸借により抵当建物を使用することになったとしても,現在の民法395条が規定する建物引渡猶予制度の保護の適用を受けることはないとされた事例
刑事裁判例
[刑事訴訟法]
1(東京高裁平21.12.1判決)
退去強制により出国した者の刑訴法227条1項に基づく証人尋問調書及び検察官に対する供述調書について刑訴法321条1項1号及び2号に基づき証拠能力が認められた事例


カテゴリー: ??к
inserted by FC2 system