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判例タイムズ 1328号

誌名: 判例タイムズ 1328号

創刊: 判例タイムズ社
発売日: 2010年10月01日

価格: 2,000円

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雑誌紹介

「判例タイムズ」は、1948年の創刊以来、我が国を代表する判例紹介誌として、幅広い分野の法律実務家から高い評価を受けています。全国の判例情報から実用性の高いものを迅速的確に紹介しつつ、実務家・研究者と連携して時事問題を取り扱った論文・鼎談等をタイムリーに掲載しており、実務家・研究者に限らず、広く法務に携わるすべての人々必見の書です。


概要

[記事紹介]
医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウム第2回
大阪地裁における労災事件の審理/田中 敦/上村 海
名古屋民事実務研究会 5
社外労働者と受入先企業との間における労働契約の成否――大阪高判平20.4.25判タ1268号94頁/奥村周子
公判前整理手続に関する諸問題 14[大阪刑事実務研究会]
証拠開示に関する問題(その1)/三村三緒
[判例紹介]
行政裁判例
[国家補償法]
1(福岡高裁平21.12.3判決)
親族間で権利関係に争いがある数筆の土地の一部を収用することによる補償額を算定するに当たって,将来における利用可能性の相違を考慮して,これらの土地全体ではなく,収用する土地と残地のみを評価の単位として評価すべきであるとして,権利取得裁決の増額変更請求などを認めた事例
[国家補償法]
2(東京地裁平21.12.21判決)
捜査機関,検察官が適正な捜査,公訴提起をしなかったことなどを理由とする犯罪被害者の遺族からの国家賠償請求が認められなかった事例
労働裁判例
[個別的労働関係]
1(大阪地裁平22.3.29判決)
公立中学校の教師が対教師暴力等が原因で精神疾患に罹患し,自殺した事案において,公務起因性が認められた事例
民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平20.8.28判決)
株式を譲渡する旨の民事調停を成立させた原告らに課税される税額に関する錯誤があったことを理由とする調停無効の主張が認められなかった事例
2(大阪地裁平21.7.24判決)
1 マンションの管理組合が元の区分所有者に対して有していた管理費等の債権について,その区分所有者の特定承継人として建物の区分所有等に関する法律8条により債務の履行責任を負うことになった者は,その区分所有権を第三者に譲渡した後であっても,その管理費等の支払義務を負う
2 建物の区分所有等に関する法律8条により元の区分所有者の管理費等の債務の履行責任を負うことになった専有部分の所有権の特定承継人は,民法148条により時効の中断の効力が及ぶ「承継人」にあたる
3(東京地裁平22.1.27判決)
仮執行宣言付判決に基づく債権回収の方法の選択に関する弁護士の判断について,依頼者に対する債務不履行責任が否定された事例
4(東京高裁平21.12.21判決)
委任者の死亡後における事務処理を依頼する旨の準委任契約は,委任者の死亡によっても当然に契約を終了させない旨の合意を包含し,委任者の遺言により祭祀の主宰者に指定された者は,その契約の内容に不明確性や実現困難性があり,履行負担が加重であるなど契約の履行が不合理と認められる特段の事情がない限り,同契約を解除して終了させることができないとされた事例
5(東京地裁平21.10.20判決)
墓地経営者である寺院の墓地使用者(檀家)に対する同一墓地内の区画移転等を求める請求が認容された事例
6(東京地裁平22.3.12判決)
顧問会社の取締役会を取り仕切るなどした弁護士に対する弁護士懲戒請求が不法行為を構成しないとされた事例
7(東京地裁平22.1.28判決)
医療機関において医療行為を受けた後に死亡した患者の遺族から再三にわたり診療記録の開示を求められたにもかかわらず,これを拒否して患者の遺族に法的措置を執ることを促しながら患者の遺族からの提訴後に診療記録を紛失した医療機関及びその職員の不法行為責任が認められた事例
8(東京地裁平21.12.10判決)
1 交通事故にあった被害者が,右眼に外傷がなかったが,その後視力が低下したという事案について,事故により心因性の視力低下が生じたとして事故との因果関係を認めた事例
2 交通事故の被害者に支給された労働者災害補償保険法による障害年金並びに国民年金法による障害基礎年金及び厚生年金保険法による障害厚生年金を,各支給日に加害者が被害者に対して負担する損害賠償債務の元本に充当することの可否
9(東京地裁平21.9.15判決)
1 大学病院に入院していた患者が病室から失踪し,同病院敷地内に併設された看護師宿舎の屋上から転落して死亡したことについて,予見可能性が認められないことを理由に,同病院の医療従事者らにおいて患者の体幹・両上肢の抑制等の危険行動防止措置を執るべき注意義務があるとはいえないとされた事例
2 病室から失踪した入院患者を原告ら主張に係る方法で捜索すべき注意義務が否定された事例
3 入院患者が病室から失踪した時点で家族に連絡すべき注意義務が否定された事例
4 病室から失踪した入院患者が病棟の外に出ないように出入口をすべて施錠し,警備員に監視させるべき注意義務が否定された事例
[知的財産]
10(知的財産高裁平21.10.8判決)
指定商品を時計等とする「DEEP SEA」との登録商標につき,商標権者が販売する時計の文字盤に「DEEPSEA」との表示がされていることをもってしては商標法50条1項にいう「使用」の事実に当たらないとして同商標登録を取り消したいわゆる不使用による商標登録の取消しの審判における審決について,同「使用」の事実に当たるとして審決が取り消された事例
11(知的財産高裁平21.4.27判決)
指定商品を「化粧品」とする片仮名「ラブコスメ」の本件商標が,欧文字「Love」又は片仮名「ラブ」等から表記される6つの各引用商標と類似するとした審決が取り消された事例
[諸 法]
12(東京地裁平21.6.29判決)
婚姻予約の成立要件及びその効果は,法の適用に関する通則法33条の規定する親族関係及びこれによって生じる権利義務に準じるものとして,当事者の本国法によって定めるべきであり,婚姻予約の不履行ないし不当破棄による損害賠償責任は,両当事者の本国法を累積的に適用し,双方の本国法が認める範囲内においてのみ,肯定される
[民事訴訟法]
13(大阪高裁平21.5.11決定)
贈与契約に基づき目的物の給付を求める訴訟において被告から財産全部を相続させる旨の遺言の作成を受けていると主張する被告の推定相続人が被告を補助するため訴訟に参加することを許可された事例
[民事執行法]
14(東京高裁平22.3.3決定)
給与の差押えを受けた地方公務員である債務者が,差押額を引いた残額から償還金の控除がされている場合に,そのことを民事執行法153条1項の「債務者の生活の状況その他の事情」として考慮できないとした事例
刑事裁判例
[刑 法]
1パロマガス湯沸器事件(東京地裁平22.5.11判決)
強制排気式ガス湯沸器が不正改造が原因で不完全燃焼を起こし,居住者他1名が一酸化炭素中毒により死傷した事故について,同湯沸器を製造・販売した会社の代表取締役社長及び品質管理部長に,点検・回収等の措置を講じなかった過失があるとされて,業務上過失致死傷罪の成立が認められた事例


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