雑誌バックナンバー
判例タイムズ 1329号

誌名: 判例タイムズ 1329号

創刊: 判例タイムズ社
発売日: 2010年10月15日

価格: 2,000円

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雑誌紹介

「判例タイムズ」は、1948年の創刊以来、我が国を代表する判例紹介誌として、幅広い分野の法律実務家から高い評価を受けています。全国の判例情報から実用性の高いものを迅速的確に紹介しつつ、実務家・研究者と連携して時事問題を取り扱った論文・鼎談等をタイムリーに掲載しており、実務家・研究者に限らず、広く法務に携わるすべての人々必見の書です。


概要

記事紹介
電子カルテの証拠保全について/東京地方裁判所証拠保全・収集処分検討委員会,医療訴訟対策委員会
企業間提携契約の法的諸問題 16[現代企業法研究会]
企業間提携契約としての技術ライセンス契約とその条項/高橋利昌
独占禁止法の新たな展開 18
知的財産権の行使との調整/村上政博
刑事裁判と国民参加--裁判員法施行1年の日に/松尾浩也
ブック・レビュー
石井一正著『刑事控訴審の理論と実務』/小林 充
● 判例紹介
速 報
[民 法]
1(東京地裁平22.1.27判決)
商社の嘱託社員が架空の事業を持ちかけて投資させる詐欺事件に関与した行為は,本来の職務との関連性が極めて希薄であり,外形上の職務行為といえず,民法715条の「事業の執行について」に当たらないとされた事例
行政裁判例
[国家補償法]
1(東京高裁平22.5.27判決)
強姦の被疑事実で告訴され,逮捕・勾留されたが,準抗告により勾留が取り消され,強姦被疑事件について嫌疑不十分で不起訴処分とされた被疑者に対する同勾留取消前の検察官の勾留の継続が違法であるとした1審判決が取り消されて,同勾留の継続が違法でないとされた事例
2(東京地裁平21.12.11判決)
1 根抵当権設定仮登記の登記名義人に無断で同登記の移転仮登記及び根抵当権設定仮登記の抹消登記がなされた場合に,当該登記名義人が登記官のしたこれらの登記処分の無効確認を求めることの当否(消極)
2 根抵当権設定仮登記の移転仮登記やその抹消登記手続において,現行の不動産登記法制には立法の不備があるとしてなされた国家賠償請求を排斥した事例
労働裁判例
[個別的労働関係]
1(名古屋高裁平22.4.16判決)
慢性心不全の労働者が致死的不整脈を発症して死亡した場合に,業務起因性が認められた事例
2(高松高裁平21.9.15判決)
1 道路工事現場において,とび職人として高所作業に従事中,転落事故に遭い,Xが骨盤骨折等の傷害を負った労働災害事故に関して,同工事の元請であるY1,孫請であるY3,Y3にXを派遣したY4,Y4にXを派遣したY5に対し,安全配慮義務違反(債務不履行又は不法行為)に基づく損害賠償金として586万余円を,Xに支払うように命じた1審判決が相当とされた事例
2 上記労災事故に関し,下請であるY2については,上記工事現場の工事には何ら関与しておらず,そこでの作業に従事していたXら作業員を直接指揮命令するなどの関係にもなかったことから,Xに対する安全配慮義務を負う立場にはなかったというべきである,とする1審判決が相当とされた事例
3 上記労災事故に関し,Xにも,親綱を設置して安全帯を使用することが可能であったにもかかわらず,これをしなかったことや,本件事故当時17歳であったにもかかわらず,18歳であると虚偽の申告して稼働したこと等から,1割の過失相殺をした1審判決が相当とされた事例
民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平21.9.15判決)
1 二線引畦畔であった国有地について,黙示の公用廃止があったとして時効取得の対象となるとされた事例
2 国有地を時効により取得したがその登記を備えていない者に対し,その後当該国有地の譲与を受けた地方公共団体が時効完成後の第三者として登記欠缺の抗弁を主張することが信義則に反するとされた事例
2(札幌地裁平22.3.19判決)
放送受信契約には民法761条が適用されない等として,同契約に基づく受信料請求が棄却された事例
3(東京地裁平21.9.25判決)
相続税の申告に関する事務処理を受任した税理士の作成した申告書に,土地の評価が過少,相続財産の申告漏れ等の不備があったため,納税者が修正申告と過少申告加算税等の納付を余儀なくされたことにつき,税理士に善管注意義務違反の責任が認められた事例
4(東京地裁平22.2.17判決)
匿名組合の方式により事業資金の出資を募集する新聞広告を約2年間にわたって掲載した会社が民事再生手続の開始の申立てを経て破産手続開始に至った事案において,出資募集の広告を掲載した新聞社の不法行為責任が否定された事例

5(名古屋地裁平21.2.18判決)
AがBから暴行を受けて死亡したことについて,加害者Bの友人としてBと対等の関係にあり,Bからの事前の相談に対し殴ったほうがいいと答え,暴行によってサンダルの鼻緒が外れたBに革靴を貸してAに対する暴行を容易にしたYにつき,その後のBの執拗かつ激しい暴行を止めるべき法的義務があったのにこれを怠ったとして,不法行為に基づく損害賠償責任が認められた事例

6(津地裁平22.1.28判決)
肺動脈奇形に対する根治手術を受けた患者が低酸素脳症となり死亡した場合,希釈体外循環に加えて術中採血を行った医師に注意義務違反があったとして,病院側の不法行為責任が認められた事例
7(東京高裁平21.7.16判決)
妻からの届出による協議離婚について,届出書の作成時には親権者の指定や財産分与に関する具体的な話し合いがなく,その届出の直前までの約9か月間同居していた事実があっても,その届出が遅れた理由や届出直前の別居の経緯を含む判決認定の事実関係の下においては,離婚の合意と届出に関する夫からの委任が認められ,これが有効であるとされた事例
[知的財産]
8(知的財産高裁平22.1.28判決)
「高断熱・高気密住宅における深夜電力利用蓄熱式床下暖房システム」の発明に係る特許においてなされた補正が特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていないとの無効理由があるとした審決の判断に誤りがあるとして,審決が取り消された事例
9(東京地裁平21.11.13判決)
1 著作権侵害行為の侵害主体性について判断した事例
2 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)3条1項ただし書の「発信者」の該当性について判断した事例
3 著作権法114条の5を適用して損害額の認定をした事例
4 継続的不法行為に基づき将来発生すべき損害賠償請求の可否について判断した事例
[諸 法]
10(東京高裁平21.11.26判決)
過払金返還請求について貸金業の規制等に関する法律17条,18条所定の書面の記載要件充当性を否定し,貸金業者の悪意を認定した事例

[民事訴訟法]
11(東京高裁平21.12.25判決)
海外商品先物取引を業とする会社との取引で損害を被ったという顧客が当該取引を担当した同社の従業員に対して損害賠償を求めた訴えを被告の特定を欠くとして却下した第1審判決が,控訴審において,被告の特定を欠くものではないとして,取り消された事例
[民事執行法]
12(東京高裁平22.3.8決定)
競売手続で買い受けた土地を落札価額より著しく高額な価格で売却しようという意図の下に,買受人が社会通念上許容される限度を逸脱した不相当な買取交渉をし,その延長上のものとして不動産引渡命令の申立てをした場合において,申立権の濫用に当たるとして,却下された事例
刑事裁判例
[刑事訴訟法]
1(大阪高裁平21.3.3判決)
覚せい剤自己使用の事案において,鑑定に付された尿の採取が違法な逮捕による身柄拘束中に行われたことを理由に,証拠の収集手続に重大な違法があるとして,鑑定書の証拠能力を否定し,無罪を言い渡した事


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