雑誌バックナンバー
判例タイムズ 1330号

誌名: 判例タイムズ 1330号

創刊: 判例タイムズ社
発売日: 2010年11月01日

価格: 2,000円

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雑誌紹介

「判例タイムズ」は、1948年の創刊以来、我が国を代表する判例紹介誌として、幅広い分野の法律実務家から高い評価を受けています。全国の判例情報から実用性の高いものを迅速的確に紹介しつつ、実務家・研究者と連携して時事問題を取り扱った論文・鼎談等をタイムリーに掲載しており、実務家・研究者に限らず、広く法務に携わるすべての人々必見の書です。


概要

●記事紹介
座談会
医事関係訴訟における審理手続の現状と課題(上)/池田辰夫・揖斐潔・徳岡由美子・浜秀樹・村田渉
名古屋民事実務研究会 6
捜査関係書類の文書提出命令
――最二小決平19.12.12民集61巻9号3400頁,判タ1261号155頁を題材に/長谷川恭弘・濱本章子・鈴木喬
公判前整理手続に関する諸問題 15[大阪刑事実務研究会]
証拠開示に関する問題(その2)(上)/安永健次
ブック・レビュー
東京・大阪医療訴訟研究会編著
『医療訴訟ケースファイルVol.3,Vol.4』/福田剛久
ブック・レビュー
大阪地方裁判所簡易裁判所活性化研究会編
『大阪簡易裁判所における民事訴訟の運営と定型訴状モデルの解説』別冊判例タイムズ27号/山田俊雄
●判例紹介
速 報
[商 法]
1楽天対TBS株式買取価格決定申立事件抗告審決定(東京高裁平22.7.7決定)
1 吸収分割株式会社の株主による株式買取請求に係る「公正な価格」(会社法785条1項)の算定基準日及び算定方法
2 吸収分割株式会社の株主による株式買取請求に係る「公正な価格」は,裁判所の裁量により,買取請求期間満了時を基準日として,当該吸収分割がなければ同社株式が有していたであろう客観的価値を基礎として算定するのが相当であり,その客観的価値につき基準日の市場価格(終値)をもって,買取価格と認めることが相当とされた事例
最高裁判例
[憲 法]
1(最高裁第一小法廷平22.7.22判決)
神社の鎮座2100年を記念する大祭に係る諸事業の奉賛を目的とする団体の発会式に地元の市長が出席して祝辞を述べた行為が,憲法20条3項に違反しないとされた事例
[民 法]
2(最高裁第二小法廷平22.6.4判決)
更生会社であった貸金業者において,届出期間内に届出がされなかった更生債権である過払金返還請求権につきその責めを免れる旨主張することが信義則に反しないとされた事例
3(最高裁第三小法廷平22.6.29判決)
葬儀場の営業を行う業者が,その近隣に居宅を共有してこれに居住する者に対し,上記居宅から葬儀場の様子が見えないようにするための目隠しを設置する措置を更に講ずべき義務も,葬儀場の営業についての不法行為責任も負わないとされた事例
行政裁判例
[国家補償法]
1(福岡高裁平22.2.25判決)
刑事施設の長が,差入れできる便せん,封筒を指定する業者から購入するものに制限するとの達示を定め,弁護人が直接差し入れるのを認めないとの取扱いをしたことは,接見交通権を違法に侵害し,その裁量を逸脱したものであるとして,国家賠償請求を認めた事例
労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京高裁平22.5.20判決)
基礎疾患(高血圧症)を有する警察官が勤務中(昼食後)に(高血圧性)脳内出血を発症して後遺障害が残ったことについて,発症前1週間の公務過重性を認めて,公務起因性を認めた事例
民・商事裁判例
[民 法]
1(名古屋地裁平22.3.26判決)
シンジケートローンを組成したアレンジャーの参加金融機関に対する情報提供義務違反による債務不履行責任及び不法行為責任が否定された事例
2(東京高裁平21.12.21判決)
出資金預託契約は,投資家が出資金を預託し,投資の成績に応じて配当を受ける契約であり,投資結果に従って精算が予定されているものであるとして,損益確定後の精算金請求が認められた事例
3(名古屋地裁平21.12.11判決)
1 市が発注したごみ焼却施設建設工事の一般競争入札において,入札参加者間で談合が行われた結果,市が損害を被ったと認定された事例
2 談合による損害額が民訴法248条に基づき契約金額の5パーセントと算定された事例
3 談合による損害賠償請求権に係る民法724条前段の消滅時効の起算点について,被害者である市が損害を知った時が,市において公正取引委員会の審決書及び同審決書における認定判断の根拠となった資料を入手し,その内容を把握した時点であると認定された事例
4(大阪地裁平20.12.15判決)
交通事故による胸髄損傷等によって,両下肢完全麻痺等の後遺障害を残し,自賠責保険後遺障害等級第1級第1号に該当すると認定された事故時16歳の原告の将来の介護関係費用等の損害額の認定事例
5(京都地裁平22.6.2判決)
1 同級生によるいじめについて,加害生徒の被害生徒に対する不法行為責任は認めたが,当該学校を設置する自治体及び加害生徒の親には注意義務違反がなかったとして,これらの者の不法行為責任は認めなかった事例
2 被害生徒の転居を伴う転校について,転居費用相当額については,いじめ行為等との因果関係がないとして,損害賠償請求を認めなかった事例
6(東京高裁平21.12.18決定)
相続させる旨の遺言により相続財産を承継した相続人は,原則として,遺産分割の事件手続中で遺言の利益を放棄する旨述べるだけではこれを放棄することはできないとされた事例
[知的財産]
7スナップ構造事件(@知的財産高裁平22.2.24判決)(A知的財産高裁平22.2.24判決)
1 引用発明1において,本件発明1の相違点1に係る構成を採用することは,引用発明1の技術思想の中核部分と相反するものであり,引用発明1に接した当業者が相違点1に係る構成を採用することは,その動機付けを欠くものであるということができるばかりでなく,阻害要因があるとさえいうことができるなどとして,本件発明1の進歩性を肯定した審決が維持された事例(@事件)
2 本件発明の「解除片」が下端部から透孔への嵌合時に部品保持部の両側に当接する上端部に沿って「若干……膨らんだ形状」のものとして特定されているのに対し,被控訴人製品の「解除片」は,「連結片との結合部から解除片がいったん外側下方に延び,基板接点部352において大きく折れ曲がるように反転した形状のもの」であるから,被控訴人製品の構成が本件発明の構成要件を充足しないとして,これと同旨の原判決が維持された事例(A事件)
8(東京地裁平22.1.29判決)
超過売上高が認められないとして,職務発明対価請求を棄却した事例
9(大阪地裁平21.7.23判決)
自己の氏名を不正の目的でなく使用する行為(不正競争防止法19条1項2号)に該当するとして,不正競争防止法2条1項1号に基づく請求が認められなかった事例
[民事訴訟法]
10(名古屋地裁平21.8.7判決)
1 地方公共団体の組合が発注したごみ焼却施設建設工事の指名競争入札において,入札業者間に談合が存在したと認定された事例
2 談合による損害賠償額が民事訴訟法248条に基づき契約金額の8パーセントと算定された事例
[民事執行法]
11 (東京高裁平22.4.21決定)
給料等の先取特権に基づく債権差押命令申立てについて「担保権の存在を証する文書」を提出したと認めることはできないとして申立てを却下した原決定が維持された事例
刑事裁判例
[特別刑法]
1(東京地裁平22.2.18判決)
1 上場株式会社における増資に伴う新株引受に際しての払込金の大半を何の対価もなく直ちに流出させることが払込み以前から予定されており,現に流出させたにもかかわらず,証券取引所が提供する開示情報システムにおいて,増資がなされた旨及び同増資により資本増強が行われている旨開示したことが,虚偽の事実を公表させたものとして,平成18年法律第65号による改正前の証券取引法158条で禁止された「偽計を用い」たことに当たるとされた事例
2 平成18年法律第65号による改正前の証券取引法158条所定の「有価証券等の相場の変動を図る目的」には,株価の維持を目的とする場合も含まれるとされた事例
3 平成18年法律第65号による改正前の証券取引法198条の2所定の「犯罪行為により得た財産」として必要的没収・追徴の対象となるのは株式の売却代金全額であるとした上で,同条1項ただし書を適用して,前記新株引受の対価及び前記開示の後に別途なされた開示による株価の上昇分を控除した額に限って没収・追徴するのが相当であるとされた事例


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