雑誌バックナンバー
判例タイムズ 1331号

誌名: 判例タイムズ 1331号

創刊: 判例タイムズ社
発売日: 2010年11月15日

価格: 2,000円

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雑誌紹介

「判例タイムズ」は、1948年の創刊以来、我が国を代表する判例紹介誌として、幅広い分野の法律実務家から高い評価を受けています。全国の判例情報から実用性の高いものを迅速的確に紹介しつつ、実務家・研究者と連携して時事問題を取り扱った論文・鼎談等をタイムリーに掲載しており、実務家・研究者に限らず、広く法務に携わるすべての人々必見の書です。


概要

●記事紹介
座談会
医事関係訴訟における審理手続の現状と課題(下)/池田辰夫・揖斐潔・徳岡由美子・浜秀樹・村田渉
独占禁止法の新たな展開 19
独占禁止法の基本体系/村上政博
公判前整理手続に関する諸問題 16[大阪刑事実務研究会]
証拠開示に関する問題(その2)(下)/安永健次
ブック・レビュー
実務家の寄る辺――実務書の面目躍如,ここに在り
加藤新太郎編『民事事実認定と立証活動 第T巻』/滝澤孝臣
ブック・レビュー
開かれた対話の広場へ
加藤新太郎編『民事事実認定と立証活動 第U巻』/関口剛弘
●判例紹介
最高裁判例
[租税法]
1(最高裁第三小法廷平22.7.6判決)
自動車の所有者が脅迫されて当該自動車を他人に引き渡したためにこれを利用し得ないという損害を被ったことが,愛知県県税条例(昭和25年愛知県条例第24号)72条所定の自動車税の減免要件である「天災その他特別の事情」による被害に当たるとはいえないとされた事例
[民事執行法]
2(最高裁第一小法廷平22.8.25決定)
1 担保不動産競売事件の期間入札において,執行官が,最高の価額で買受けの申出をした入札人の入札を誤って無効と判断し,他の者を最高価買受申出人と定めて開札期日を終了した場合に,執行裁判所等が執るべき措置
2 担保不動産競売事件の期間入札において,自らが最高の価額で買受けの申出をしたにもかかわらず,執行官の誤りにより当該入札が無効と判断されて他の者が最高価買受申出人と定められたため,買受人となることができなかったことを主張する入札人が,この者の受けた売却許可決定に対し執行抗告をすることの許否
3 担保不動産競売事件の期間入札において,入札書を封入した封筒に記載された事件番号が,これと共に提出された入札保証金振込証明書に記載されたそれと一致しなくても,当該入札が無効であるということはできないとされた事例
[刑 法]
3(最高裁第二小法廷平21.11.30判決)
1 分譲マンションの各住戸にビラ等を投かんする目的で,同マンションの共用部分に立ち入った行為につき,刑法130条前段の罪が成立するとされた事例
2 分譲マンションの各住戸に政党の活動報告等を記載したビラ等を投かんする目的で,同マンションの共用部分に管理組合の意思に反して立ち入った行為をもって刑法130条前段の罪に問うことが,憲法21条1項に違反しないとされた事例
[刑事訴訟法]
4いわゆる名張毒ぶどう酒殺人事件第7次再審請求(最高裁第三小法廷平22.4.5決定)
再審請求を棄却した原決定に審理不尽の違法があるとされた事例
5(最高裁第二小法廷平22.7.2決定)
保釈の請求に関する準抗告決定(原裁判取消し,保釈許可)に対する検察官からの特別抗告が棄却された事例
6(@最高裁第一小法廷平22.7.22判決)(A最高裁第一小法廷平22.7.22判決)
1 被告人が原略式命令確定後に本邦を出国し非常上告申立て時において再入国していない場合における非常上告の可否(@事件)
2 被告人が原略式命令確定後に死亡している場合における非常上告の可否(A事件)
憲法裁判例
[憲 法]
1(京都地裁平22.5.27判決)
労働者災害補償保険法による障害補償給付の支給に関する処分が,障害等級表(労働者災害補償保険法施行規則別表第1)の憲法14条1項に違反する部分に基づいてされたことを理由に,違法であるとして取り消された事例
行政裁判例
[国家補償法]
1(福岡高裁平21.6.30判決)
町長が,疎明資料の提出がないことを理由に,住民票の写しの交付をしなかったことは,住民基本台帳法で認められた裁量を濫用したものであるとして,国家賠償請求を認めた事例
労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平22.2.9判決)
職務命令違反等に基づく諭旨解雇が相当性を欠くとされて,原告の被告に対する地位確認及び判決確定までの賃金請求が認容されたが,同確定後の賃金請求にかかる訴えは,不適法として却下され,賞与請求と,必要性のない配置転換や降格,不当な諭旨解雇による不法行為に基づく損害賠償請求が棄却された事例
民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平22.5.12判決)
刑事控訴事件を受任した弁護士が,期限までに控訴趣意書を提出しなかったため,第一審の実刑判決が確定し,依頼者である被告人との間で,約280万円を支払う旨の示談をした場合において,保険会社に対する弁護士賠償責任保険契約に基づく同額の保険金請求が10万円の限度で認容された事例
2(大阪地裁平22.5.12判決)
1 フランチャイズ契約締結勧誘時にフランチャイザーがフランチャイジーになろうとする者に対して示した売上予測が客観的な根拠や合理性に欠けるものであったとして,フランチャイザーの情報提供義務違反を認めた事例
2 フランチャイズ契約終了後にフランチャイザーがフランチャイズ契約上の競業禁止条項に基づきフランチャイジーに対して競業避止義務を負わせることが信義則に反し許されないとした事例
3(東京地裁平22.5.11判決)
持ち帰り弁当販売事業を展開するフランチャイズシステムのサブフランチャイザーがマスターフランチャイザー主催の会議への出席を拒否するなどした行為は,マスターフランチャイザーとの間のフランチャイズ契約(サブ・フランチャイズ契約)上の義務違反行為に当たるとはいえないとした上で,マスターフランチャイザーによるフランチャイズ契約の更新拒絶の効力を否定し,その後のエリアフランチャイザーによる信頼関係破壊を理由とするフランチャイズ契約の解約の意思表示を有効とした事例
4(大阪地裁平22.2.15判決)
1 会社が,C型慢性肝炎に罹患して長期治療を継続していた従業員の衛生管理情報の引継ぎを怠ったため,転勤後の職場の上司において,転勤直後の入院治療を非難したり,長期のインターフェロン治療を要することにつき退職を示唆したりした言動が,インターフェロンの副作用等とともに,当該従業員のうつ病発症の要因となったとして,会社の安全配慮義務違反が認められた事例
2 上記安全配慮義務違反につき,うつ病発症から約2年3か月後の従業員の自殺との相当因果関係が否定された事例
5(福岡高裁平22.2.25判決)
追突事故に遭った被害者が低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)の傷害を負ったとは認められないとされた事例
[知的財産]
6(知的財産高裁平21.11.30判決)
商標の専用使用権設定契約が期間満了により終了した場合には,その専用使用権設定登録が抹消されていなくとも,専用使用権者から通常使用権の再許諾を受けていた者による使用が商標法50条2項の「通常使用権者」の使用には当たらないと判断された事例
7(東京地裁平21.8.31判決)
携帯用害虫防除装置についての発明に係る特許権の侵害訴訟において,当該発明に特許法29条2項に違反する無効理由があるとして,原告の請求が棄却された事例
8(知的財産高裁平21.8.18判決)
名称を「樹脂配合用酸素吸収剤及びその組成物」とする発明について,発明の詳細な説明には,酸素吸収剤を適用すべき樹脂一般につき,発明が所期する作用効果を奏することを裏付ける程度の記載がないから,実施可能要件を満たしているとは認められず,また,発明の詳細な説明には,当該樹脂一般につき,当業者において発明の課題が解決されるものと認識し得る程度の記載ないし示唆はなく,特許出願時の技術常識に照らしても,当業者において当該課題が解決されるものと認識し得るとはいえないから,サポート要件を満たしているとも認められないとした事例
[民事訴訟法]
9(大阪地裁平22.4.28決定)
1 仮執行宣言付判決に対する控訴に伴う執行停止の担保は,強制執行停止決定の効力が控訴棄却の判決により失われた後に,債務者が有効な弁済供託をしたときは,担保の事由が消滅する
2 仮執行宣言付判決に対する控訴に伴う強制執行停止決定の効力が控訴棄却の判決により失われた後に,債務者が有効な弁済供託をしたときは,債務者が上告等の不服を申し立て,仮執行宣言付判決が取り消された場合に供託金を取り戻す権利を留保し,かつ,債権者が供託を受諾していない場合であっても,仮執行宣言付判決に対する控訴に伴う執行停止の担保は,担保の事由が消滅するとして担保取消しが認められた事例
10(東京高裁平22.2.26決定)
金融機関が所持する自己査定資料中の顧客の財務状況・業務状況に対する分析評価情報のうちノウハウに関わる部分の職業秘密文書該当性

刑事裁判例
[刑 法]
1(福岡高裁那覇支部平22.3.9判決)
被告人の責任能力が争われた殺人の事案において,原審で行われた精神鑑定の信用性を否定し,持続性妄想性障害の影響による心神耗弱を認め,完全責任能力を認めた原判決を破棄して自判した事例


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