雑誌バックナンバー
判例タイムズ 1332号

誌名: 判例タイムズ 1332号

創刊: 判例タイムズ社
発売日: 2010年12月01日

価格: 2,000円

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雑誌紹介

「判例タイムズ」は、1948年の創刊以来、我が国を代表する判例紹介誌として、幅広い分野の法律実務家から高い評価を受けています。全国の判例情報から実用性の高いものを迅速的確に紹介しつつ、実務家・研究者と連携して時事問題を取り扱った論文・鼎談等をタイムリーに掲載しており、実務家・研究者に限らず、広く法務に携わるすべての人々必見の書です。


概要

●記事紹介
座談会
立証活動のスキルと現実 (上)/加藤新太郎・馬橋隆紀・須藤典明・村田渉
企業間提携契約の法的諸問題 17[現代企業法研究会]
企業間提携契約における段階的撤退に関する一考察(上)--段階的撤退条項の意義及び限界/奈良輝久
注意義務と緊急避難--東京地判平21.1.13を契機として/林幹人
米国ノースカロライナ州における裁判所の情報システムの紹介 (上)/松長一太
●判例紹介
速 報
[民事執行法]
1(大阪高裁平21.5.14決定)
担保不動産収益執行において,民事執行法106条2項所定の「配当等に充てるべき金銭を生ずる見込み」がないとして,一部の物件に係る手続が取り消された事例
最高裁判例
[民 法]
1(最高裁第二小法廷平22.7.9判決)
本訴の提起が不法行為に当たることを理由とする反訴について,本訴に係る請求原因事実と相反することとなる本訴原告自らが行った事実を積極的に認定しながら,本訴の提起に係る不法行為の成立を否定した原審の判断に違法があるとされた事例
[商 法]
2(最高裁第一小法廷平22.7.15判決)
A社が事業再編計画の一環としてB社の株式を任意の合意に基づき買い取る場合において,A社の取締役に上記株式の買取価格の決定について善管注意義務違反はないとされた事例
[諸 法]
3(最高裁第二小法廷平22.8.4決定)
子の父親が母親らに対し子の引渡し等を求める人身保護請求事件において,人身保護法11条1項に基づく決定によるのではなく,審問手続を経た上で判決により判断を示すべきであるとされた事例
[民事訴訟法]
4(最高裁第二小法廷平22.8.4決定)
人身保護法による釈放の請求を却下又は棄却した高等裁判所の決定は,許可抗告の対象となるか
[倒産処理法]
5(最高裁第二小法廷平22.6.4判決)
自動車の売買代金の立替払をした者が,販売会社に留保されていた自動車の所有権の移転を受けたが,購入者に係る再生手続が開始した時点で上記自動車につき所有者としての登録を受けていないときに,留保した所有権を別除権として行使することの可否
行政裁判例
[国家補償法]
1(東京高裁平22.10.7判決)
1 争訟の裁判以外の裁判官の職務行為と国家賠償法上の違法性
2 不在者財産管理人の監督における家事審判官の職務行為の違法性が否定された事例
労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平22.4.28判決)
1 自転車等により荷物等を配送する運送業務を目的とする株式会社と自転車を使用して配送業務を行う旨の運送請負契約書を取り交わして同配送業務に従事したバイシクルメッセンジャーについて,労働基準法9条の「労働者」に該当しないとされた事例
2 上記1のバイシクルメッセンジャーの中から選ばれて上記1の会社が設置している自転車配送業務の営業所の所長となった者について,営業所長業務に関して労働基準法9条の「労働者」に該当するとされた事例
民・商事裁判例
[民 法]
1(大阪地裁平22.4.26判決)
地方公共団体が所有する土地の賃借人が,当該土地上の建物を夫の暴力団事務所として使用させた行為が,土地賃貸借契約上の用法遵守義務等に違反し,信頼関係を裏切る不信行為に該当するとして,当該土地賃貸借契約の解除が認められた事例
2(大阪地裁平22.7.26判決)
刑事損害賠償命令事件から民事訴訟手続に移行して,損害額及び過失相殺について審理判断された事例
3(大阪地裁平21.2.16判決)
1 父親が原動機付自転車を運転中に起こした交通事故に関し,同車両の登録名義人であり,自賠責保険契約名義人である別居の三男の運行供用者責任が認められた事例
2 交通事故により,自動車損害賠償保障法施行令別表第一第2級第1号に該当する高次脳機能障害を残した原告の症状固定診断後の症状の悪化については,交通事故と因果関係があるとはいえない認知症の進行の影響もあることなども考慮して,将来の介護関係費用が認定された事例
3 人身傷害補償条項に基づく保険金支払により損害賠償請求権が減縮される範囲に関し,いわゆる訴訟基準差額説が採用された事例
4 無保険車傷害特約に基づく保険金請求の遅延損害金起算日について判断された事例
4(福岡高裁平21.9.14判決)
電磁波による健康被害を理由に携帯電話通信事業者に対して近隣住民がした無線基地局内の鉄塔の撤去請求及び慰謝料請求が,同鉄塔から発射された電磁波により健康被害が生じる具体的な危険性があるとは認められないとしていずれも棄却された事例
5(広島地裁平21.9.11判決)
十二指腸腺腫の切除のためにEMRが実施されたところ,術後遅発性穿孔が生じ患者が後腹膜炎から死亡に至った場合において,保存的療法を継続し開腹手術に踏み切らなかった医師の判断に過失はない等とされた事例
[商 法]
6(大阪地裁平22.7.7判決)
有機リン系農薬が混入した冷凍餃子と近接した時期に同一工場で製造された別の冷凍食品が社会通念上食品として市場に流通し得る品質を備えていなかったとして瑕疵があるとされた事例
7(東京地裁平22.5.27判決)
1 株式会社の新設分割が詐害行為取消権の対象となることが肯定された事例
2 新設分割株式会社が新設分割の対価として新設分割設立株式会社の全株式を取得したとしても当該新設分割が新設分割株式会社の債権者を害するものとされた事例
3 詐害行為となる新設分割の目的資産が可分であり,当該新設分割を詐害行為として取り消し得る範囲は債権者の被保全債権の額が限度となるものの,その原状回復の方法としては逸出した資産の現物返還に代えて価格賠償を請求することができるとされた事例
[知的財産]
8(知的財産高裁平22.2.24判決)
X社が就業規則等に基づき従業者Aから特許を受ける権利の譲渡を受けた本件発明につき,AがX社退職後Y社に入社し,Y社に特許を受ける権利を譲渡してY社において特許出願した事案について,Y社は「背信的悪意者」に当たるとして,X社からY社に対する,X社が特許を受ける権利を有することの確認請求が認容された事例
9ふみのすけオリジナルボールペン事件(東京地裁平21.2.27判決)
1 筆記具のクリップ取付装置に関する登録実用新案について,被告及び補助参加人の「無効主張」が認められ,かつ,原告の「対抗主張」が認められないとして,実用新案権者の権利行使を制限した事例
2 「対抗主張」は,抗弁である「無効主張」と両立しつつ,その法律効果の発生を妨げるものとして,「無効主張」に対する再抗弁と位置付けられる
3 「対抗主張」の成立要件は,@原告が適法な訂正請求を行っていること,A当該訂正によって被告が主張している無効理由が解消されること及びB被告製品が当該訂正後の請求項に係る考案の技術的範囲に属することである
10(大阪地裁平21.9.17判決)
商標権者と周知表示の使用者が,商標法38条2項,不正競争防止法5条2項に基づき,それぞれ損害賠償請求を行った場合,両者の請求権は,重複する逸失利益の限度で連帯債権となるとされた事例
刑事裁判例
[特別刑法]
1(東京高裁平21.12.2判決)
出入国管理及び難民認定法74条1項に規定する「自己の支配又は管理の下にある」の解釈
2(東京高裁平21.10.21判決)
1 弁護士法72条にいう「その他一般の法律事件」には,同条に例示されている事件及びそれ以外で実定法上事件と表記されている案件と同視し得る程度に法律上の権利義務関係に問題があって,争訟ないし紛議の生じるおそれのある案件も含まれる
2 弁護士資格を有しない者が,ビルの各室の賃借人との間で交渉を行い賃貸借契約期間中の同契約を合意解除した上で各室を明け渡させるなどの業務を受託し,これを業として行った行為につき,弁護士法72条違反の罪が成立するとされた事例


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