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美術手帖 2006年4月号

誌名: 美術手帖 2006年4月号

創刊: 美術出版社
発売日: 2006年03月17日

価格: 1,600円

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雑誌紹介

資料性の高いヴィジュアル・マガジンとして海外からも熱い注目を浴びている。1948年の創刊以来、たえずアートシーンをリードしつづけるオピニオン雑誌。


概要

■■
■■特集 もうひとつのデザイン・ユートピア  
“テクノロジカル・デザイン&アーキテクチャー”
自然に学び、うねるような曲線を持つ航空機。
構造力学から生まれる異次元のような橋梁や建築。
植物と一体化するような建築や家具。
高度な技術によるヒューマノイド・ロボット。
医学から政治まで横断し、デザインの領域を拡大しようとする試み……。
巨匠、ルイジ・コラーニは言う。
「デザインとは『芸術』と『技術』の真ん中にあるものだ」と。
表面上のスタイルにとらわれず、テクノロジーに裏付けられた「かたち」を求めたとき、
もうひとつのユートピアが立ち現れる。
〜*〜*〜 目次 〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*
 T ルイジ・コラーニ
 U サンティアゴ・カラトラバ
 V ジャン=マリー・マソー
 W 山中俊治
 X 川崎和男
 Y 阿部仁史|石上純也|石黒猛
 Z 1980年代のデザインと社会を読み解くキーワード
 [ テキスト
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┃T ルイジ・コラーニ ┃
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モダニズムのメインストリートから外れたエアロダイナミクス理論に裏打ちされたオーガニックな流れるようなフォルム。78歳という年齢を感じさせずスピード感あふれる力強いデザインを生みだし続けるルイジ・コラーニ。「ルイジ・コラーニ―バック・イン・ジャパン」展の作品群と最近の講演をご紹介する。
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┃U サンティアゴ・カラトラバ ┃
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デザイナーとエンジニアとが明確に分化した建築の世界。
合理化をめざすモダニズムの次元では、それは建築生産にとって、必要不可欠な「システム」だったはずだ。が、その両分野をカバーし、さらに土木工学、美術・彫刻、航空工学までもプロットされたひとつの頭脳が、まったく新しい“表現”を紡ぎはじめている。1980年代に異彩を放つ橋梁デザインでデビューしたカラトラバは今建築界がもっとも注目する存在である。
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┃V ジャン=マリー・マソー ┃
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木と一体化した建築物や地域に溶け込んだスタジアムなどエコロジカルな建築、シンプルで流れるように軽やかなプロダクト、宇宙船のようなショップデザイン……。ジャン=マリー・マソーの活動範囲は幅広い。パリ20区の彼のスタジオをたずねた。
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┃W 山中俊治 ┃
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山中俊治が主宰するリーディング・エッジ・デザインは、先端技術がもたらす成果にデザインの知見を活かし、実際に動く状態のプロトタイプをつくりあげ、それを世に問う活動を行っている。その活動により広がる「技術」と「デザイン」の可能性について彼に話をきいた。
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┃W 川崎和男 ┃
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医学博士の称号を持ち、人工心臓から原子力発電のモデルまで、多岐にわたるデザインを提案しつづけている川崎和男はもはやデザイナーという枠を超えて様々な領域の学問をつなぐ橋渡しとして自らの立場を位置づけている。この春から大阪大学で新たな研究に取り組み、ほんとうの意味での「学際化」を目指すという川崎にデザインの未来について語ってもらった。
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┃X creators edge / 阿部仁史|石上純也|石黒猛 ┃
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今注目される新進のプロダクトデザイナー3人をとりあげた。ダイナミックなフォルムで内外空間に活気をかもし出す阿部仁史。自然さと不自然さとの境界線上に未知のデザインを求める石上純也。偶然や試行錯誤の中から「モノと人」「人と人」との橋渡しの機能を持った不思議なデザインを造りだす石黒猛。われわれの感性を刺激してやまない、3人の独特なデザイン世界をご覧あれ。
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┃Y 1980年代のデザインと社会を読み解くキーワード ┃
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モダンとポスモダンの狭間。戦後高度成長とバブル経済の橋渡し。くびれた時代、80年代は近くて遠い。けれど今、消費マインドは上向き、政治家はサッチャリズムを参照し、渋カジアレンジャーな10代の若者が増えている。これから先にあるべきデザイン・ユートピアは、15年前に冷凍保存されたモノたちが自己解凍することで加速される。80年代のデザインアイコンをキーワードでたどるのは、だから今こそ意義大なのだ!
@ ブランディングと文化戦略
A 自動車
B 80年代的身体
C 万博の系譜
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┃[ テキスト ┃
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■失敗が成功だったポストモダン
モダンを批判することから出発したポストモダンはモダンがやり遂げられなかったものを追求することをやめた。その栄光は10年間だったが、マスプロとマス消費の対極として、自分だけが知っているモノ、自分好みのブランドといった消費者の遺伝子的な条件によってモノを選択する志向をもたらした。
■身体のリダンダンシーとしてのサイボーグ技術
エモーショナルなデザインは「人とモノ」とのインターフェースの冗長性(リダンダンシー)の中に潜んでいる。デザイナーには、機能性と冗長性のどちらもコントロールすることが求められている。建築からコンピューターシステム、そしてサイボーグまで、様々なデザインの中に見る冗長性を探る。
■廃墟と新素材―マテリアル・テクノロジーが生んだデザイン
1960年代に生まれた新素材「LYCLA」は当初は注目されることのない素材だった。それが80年代のHIPHOPの興隆とともにファッション素材の中心として浮かび上がった。廃墟感覚からネオ・バロックまで、マテリアル・テクノロジーが生んだもうひとつのデザイン史を紐解く。


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