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美術手帖 2006年9月号

誌名: 美術手帖 2006年9月号

創刊: 美術出版社
発売日: 2006年08月17日

価格: 1,600円

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雑誌紹介

資料性の高いヴィジュアル・マガジンとして海外からも熱い注目を浴びている。1948年の創刊以来、たえずアートシーンをリードしつづけるオピニオン雑誌。


概要

■○
○■特集 BTの画材講座 見る/知る/解く/描く
絵画にとって、「何が描かれているか」ということと同じくらい、「“何”で
“どう”描かれているか」ということは重要です。 そこには、画家たちの創意
工夫がふんだんに盛り込まれているからです。絵を描いている人、絵を見るの
が好きな人……。すべての美術愛好者にとって、画材への理解は、アートの世
界を自由に飛翔するための「パスポート」となるでしょう。
〜*〜*〜 目次 〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*
1 山口晃 アトリエ訪問インタビュー
2 画材から「見る」
3 画材を「知る」
4 画材を「解く」
5 画材で「描く」
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┃1 山口晃 アトリエ訪問インタビュー
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「画材の特徴を知れば利点を生かすことも逆の見せ方もできる」
戦国時代の合戦図かと思いきや、甲冑に身を包んだ武士にまじって蕎麦屋の出
前や重役風のスーツの男、はたまた骸骨戦士までが登場。たなびく雲の合間か
ら見える街の俯瞰図には現代人の群像が―。「西洋的なる眼差し」と「東洋的
なる眼差し」に様々な時空を織りまぜ、過去からの時間の流れをまるで宇宙か
ら俯瞰して描いたかのように、一枚の「今様」絵画にする山口晃。
彼の描く絵はどうしてこうも人を惹きつけてやまないのか。山口の表現宇宙に
漂う星のひとかけらでも拾えればと、山口のアトリエを訪問した。
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┃2 画材から「見る」
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「どんな絵具を使っているのだろう?」の疑問。「この画材でこんな表現ができ
るんだ!」の驚き。「すごいテクニック!」の感嘆。画材から絵画を見ると、表
現と格闘する画家たちの汗や息づかいがダイレクトに伝わってくるでしょう。
◆近代画家たちの「画材」と「表現」をめぐる冒険―名画に見る画材&テクニック
・クロード・モネ|睡蓮
・ジョヴァンニ・セガンティーニ|アルプスの真昼
・岸田劉生|麗子肖像(麗子五歳之像
・狩野芳崖|仁王捉鬼
・梅原龍三郎|北京秋天
・竹内栖鳳|ベニスの月
・土田麦僊|ヴェトイユ風景
・小杉放菴(未醒)|天のうずめの命
・川端龍子|角突之巻(越後二十村行事)[部分]
・ジャン・フォートリエ|人質
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┃3 画材を「知る」
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画材ってそもそもどんなもの? 絵具は何からできているの? 油絵ってどうや
って描かれているんだろう? 知っているようで知らなかった、画材の基礎知識。
知ればアートの世界がぐんとあなたに近づきます。
◆今さら聞けない?知っておきたい! 画材の基礎知識
・Q1 絵のしくみを教えてください
・Q2 絵具は何からできているのですか?
・Q3 展色材によって、同じ顔料でも色味が異なると聞きましたが?
・Q4 油絵具ってどういうものですか?
・Q5 売り場に何種類もの油が!どれをどう使ったらいいの?
・Q6 日本画にはどんな絵具を使うのですか?
・Q7 アクリル絵具の種類は?
・Q8 アクリル絵具の正しい使い方を知りたい!
・Q9 アクリル絵具のメディウムにはどんなものがありますか?
・Q10 水彩絵具にはどんな特徴がありますか?
・Q11 色鉛筆とパステルとコンテの違いを教えて!
・Q12 天然顔料にはどういうものがありますか?
・Q13 人工顔料はどうやってつくるのですか?
・Q14 文房具店で売っている画材と、画材店で売っている画材は、何がちが
うのですか?
・Q15 絵具を捨てるときはどうしたらいいのですか?
・Q16 チューブのラベルの見方を教えて!
◇あらためて知りたい!油絵の基本
◆知っておきたい!日本画の基本
◇魅力再発見!アクリル画の基本
◆一歩すすんだテクニック!水彩画の基本
◇もっと上手に使いたい!色鉛筆画の基本
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┃4 画材を「解く」
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画材についてもっと詳しく知りたいから、絵具の生まれる現場を直撃!画材の現
在と未来についても考えたい!絵具工場、画材店、アーティスト……。画材は、
さまざまな人の思いを載せて、ひとつの「作品」へと姿を変えるのです。
◆工場見学
1.アーティスト笹倉洋平さんと行くホルベイン工業・枚岡工場
油絵具、水彩、アクリル絵具、色鉛筆など幅広い色材を扱うメーカー、ホルベ
イン工業。白にこだわりを持つ笹倉洋平さんと、水彩・アクリル絵具などの製
造工場と技術部の研究施設がある枚岡工場を見学しました。
2.ニッポン画家山本太郎さんと行くナカガワ胡粉絵具・胡粉工場
日本画の絵具の白としてなくてはならないものが牡蠣などの貝殻からつくられ
る胡粉である。画材についての勉強会を行うなど素材研究に熱心な「ニッポン
画家」の山本太郎さんと、日本に数社しかない胡粉の精製工場のひとつである、
京都のナカガワ胡粉絵具の工場を見学しました。
◇街の画材店を訪ねる
1.ニッポン画家山本太郎さんと行く彩雲堂本舗
古い佇まいの家屋が軒を連ねる通りに面した彩雲堂本舗。江戸時代に創業され
た老舗の日本画材専門店は、絵具だけでなく筆でも有名。たびたび訪れるとい
う山本太郎さんとご主人のやりとりに素敵な信頼関係がうかがえました。
2.アーティスト近藤聡乃さんと行く月光荘画材店
東京・銀座にある創業90年の老舗・月光荘画材店。街のお店ならではのきめの
細かな対応で、絵を愛する人々をサポートしています。「以前から気になって
いた画材屋さんなんです」という近藤聡乃さんが訪れました。
◆論考 画材の現在と未来
1.物質としての油画の原理 text by 佐藤一郎
油彩画の特徴は、不透明な絵具に透明な絵具を塗り重ね、空間という「透明な
もの」までをも再現することにある。油絵具の開発とその絵画技術の発展は、
「見ること」の構造に対する、画家たちの真摯な挑戦の歴史であった。
2.日本画の画材と“自由” text by 荒井経
「西洋画」に対抗して、日本の伝統的な絵画技法が「日本画」とよばれるよう
になっていく。そのとき、画家たちが日本的なものの拠りどころとしたのは「
岩絵具」であった。画材から、近代日本画が抱える問題点を提起する。
3.アクリル絵具〜現在の問題点と展望 text by 植木誠一郎
便利さで多くのユーザーを獲得しているアクリル絵具。しかし絵画ジャンルと
しても画材としても、本格的な研究はまだ発展途上である。その歴史と性質か
ら見えてくる、アクリル絵具独自の可能性を探る。
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┃4 画材で「描く」
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さあ、次はあなたの番です。画材を手にとって、作品制作にチャレンジしましょ
う。あなたをワクワクさせるすてきな画材が、画材屋さんにはたくさんありま
す。ぜひ足を運んでみて、あなただけのお気に入りを見つけてください!
◆2006年度版 最新画材カタログ BT Selection こだわりの画材
油絵具/水彩絵具/アクリル絵具/メディウム/パステル/色鉛筆/日本画用
絵具/筆/紙/鉛筆
〜*〜*〜 特別記事 〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*
1 越後妻有アートトリエンナーレ2006
2 Mudam Luxembourg
3 Becoming a Curator
4 身体改造を問いつづけるオルランの再来日
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┃1 越後妻有アートトリエンナーレ2006
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大地の芸術祭の幕が開いて
震災や豪雪といった数々の苦難を乗り越え、ついにスタートをきった大地の芸
術祭。これまで、日本の原風景・里山にふれることや地域復興政策としての有
効性など、自然や地域の側から語られることも多かった。もちろん、それらも
芸術祭の重要な一面であり、世界でも希有な美術展として注目を集める根拠に
もなっている。しかし、何をおいても国際美術展として、作品1点1点をしっか
り観ることを忘れるべきでない。ここでは開幕直後に取材した最新作を多く紹
介したい。必ずあなたの心に響く作品があるはずだ。
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┃2 Mudam Luxembourg
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ルクセンブルク初の現代美術館 開館
7月2日にグランドオープンを迎えた、グラン=ドュック・ジャン近代美術館、通
称〈Mudam Luxembourg〉。そのメイン・コンセプトは“Be the Artists’ Gues
t(アーティストのゲストになりなさい)”。展示、収集・収蔵、教育・普及、
広報、ショップ運営等々、館の多彩な活動に則して、アーティストたちにコミ
ッションワークを制作してもらうというユニークな方法論を実践している。〈
成熟した革新性〉に新しい美術館のインターフェイスを観る─。
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┃3 Becoming a Curator
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合い言葉は「愛」と「誠」!
30歳以下の若手キュレーター発掘と育成を目指す国際賞「ロレンツォ・ボナル
ディ・アート・プライズ」。後ろ盾になる組織もない、展覧会づくりの経験も
(ほとんど)ない〈僕〉が、賞を受賞して展覧会をオープンするまでの記録―。
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┃4 身体改造を問いつづけるオルランの再来日
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整形アーティストによる21世紀的展開とは?
オルランが10年ぶりに来日を果たした。外科手術によって自らの顔を整形する
パフォーマンスで話題となった彼女の存在は強烈なインパクトを与えるもので、
現在でもその名前や作品を記憶している人も多いだろう……。
〜*〜*〜 アーティスト 〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*
1 尾仲浩二
2 野見山暁治
3 齋藤芽生

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┃ 尾仲浩二
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「懐かしさ」は罪か―? 「普通の写真」であるためのたえざる歩み
「普通に、『写真の写真』が撮りたかったんですよ。何かのための、写真のた
めでもないし、美術のための写真でもない、いわゆる普通の写真でいたかった。
それはずっと変わらないですね」。何のためでもない、普通の写真とは何か。
それは「普通に撮る」写真ではなく「普通に見る」写真だといえるかもしれな
い。
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┃Around the Globe 海外のアートシーンから
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◇ヴェネツィア:ルーチョ・フォンタナ個展「ヴェニス?ニューヨーク」展、「
われわれはどこへ行くのか?」展
◆バルセロナ:ループ‘06 第4回ヴィデオアート・フェア、ソナー・フェステ
ィバル2006
◇レオン+マドリッド:フォト・エスパーニャ2006「自然:」展、ロエベ創業
160周年記念「テイク・ミー・ウィズ・ユー」展、「トライアル・バルーンズ(
観測気球)」展
◆アムステルダム+ハーグ:「アップ・アンド・カマーズ」展、「レンブラン
ト?カラヴァッジオ」展、「サマー・コレクション」展
◇ベルリン:ソンアンビエンテ・ベルリン2006
◆ロンドン:ビル・ヴィオラ個展「愛と死 ザ・トリスタン・プロジェクト」、
デミアン・ハースト個展「《千年》とトリプティック」フランシス・ベーコン
個展「トリプティック」、「グレイソン・ペリー リンカーンシャーの魅惑」

◇ニューヨーク: 「ビューティフル・ゲーム?現代美術とサッカー」展、クレ
イトン兄弟個展「ウィッシー・ワッシー」
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┃連載
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◇子供と美術 16
◆やっつけメーキング 33 カブトムシをやっつける
◇モダン日本グラフィック 4(最終回) 山名文夫(その2)


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