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美術手帖 2007年3月号

誌名: 美術手帖 2007年3月号

創刊: 美術出版社
発売日: 2007年02月17日

価格: 1,600円

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雑誌紹介

資料性の高いヴィジュアル・マガジンとして海外からも熱い注目を浴びている。1948年の創刊以来、たえずアートシーンをリードしつづけるオピニオン雑誌。


概要

◆○
○◆特集 アート・クラシックQ&A 西洋美術編 〜 ミロのヴィーナスから
カンディンスキーまで
「現代美術が好き。でも最近、古典作品をもういちど見直してみたいとも思うん
です…」。ある若いアートファンのそんな声を耳にしました。そういえば音楽も
文学も、世の中まさにクラシックブーム。展覧会でも、「プラド美術館展」や「
オルセー美術館展」の会場に、若者たちの姿がずいぶん目立っています。きっと
ふだんはロックを聞き、ネットでニュースを見ているそんな彼ら、どうやら古い
からイイというわけではなく、名作に新しいモノサシをあて、自分なりの楽しみ
方を見つけはじめているようです。脳科学、心理学、ゲーム、セックス…それぞ
れの分野の専門家に、これまでの美術史とはひと味違うやり方で、西洋古典をエ
ンターテインメントしてもらいました。まずは「知ってるつもり」をハイ、ごみ
箱へ。
〜*〜*〜 目次 〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*
1 ビジュアルQuestion Part1
2 ビジュアルQuestion Part2
3 対談 クラシック談義 「古典をナマで味わおう!」
4 特別イラストエッセイ 芝崎みゆきの「ジオット・ワールドにてペテロを想
う」
5 日本にもこんなにあるクラシック・マスターピース
6 クラシックの逸品が見られる2007年注目の企画展スケジュール
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┃1 ビジュアルQuestion Part1
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BC2万4千 〜 16世紀
■ヴィレンドルフのヴィーナス / 美の絶対と相対
■ラスコー洞窟壁画 / 有史以前の宇宙表現
■カフラー王坐像 / 国家権力の起源
■死海文書 / 人類最古のアーカイヴ
■ミロのヴィーナス / 欠落が生む意味
■リンディスファーン福音書 / 言語と装飾
■シャルトル大聖堂西正面王の扉円柱人像 / 彫刻の制約
■スクロヴェーニ礼拝堂壁画 / 空間と視線誘導
■野ウサギ | アルブレヒト・デューラー / 写実と贋作
■モナ・リザ | レオナルド・ダ・ヴィンチ / 反照し続ける鏡
■バベルの塔 | ピーテル・ブリューゲル(父) / 建築と廃墟
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┃2 ビジュアルQuestion Part2
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16世紀 〜 20世紀
■病めるバッカス | カラヴァッジオ / 作者の狂気
■アルカディアの牧人たち | ニコラ・プッサン / 埋め込まれた意味
■ラス・メニーナス(女官たち) | ディエゴ・ベラスケス / 鑑賞の迷宮
■牛乳を注ぐ女 | ヨハネス・フェルメール / 光の知覚
■聖パウロに扮した自画像 | レンブラン / ト扮装する自画像
■裸のマハ|着衣のマハ | ゴヤ / ヌードへの遡行
■世界の起源 | ギュスターヴ・クールベ / タイトルの闇
■星月夜 | フィンセント・ファン・ゴッホ / 目の誘導
■叫び | エドヴァルド・ムンク / 心の表現
■りんごとオレンジ | ポール・セザン / ヌ三次元と多視点
■歩く人 | オーギュスト・ロダ / ン時間の表現
■睡蓮 | クロード・モネ / 光の反射と拡散
■接吻 | グスタフ・クリムト / 二次元の可能性
■オルタ・デ・エブロの工場 | パブロ・ピカソ / 視点による分割
■ムルナウの教会 | ワシリー・カンディンスキー / 抽象再確認
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┃3 対談 クラシック談義 「古典をナマで味わおう!」
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中村英樹×暮沢剛巳
「はじめてこの企画について話したときに、「デュシャンより前」に焦点を合わ
せようということになりましたよね。現代美術、すなわち20世紀後半の美術の流
れを汲んでいるものの原点は、1917年に発表されたマルセル・デュシャンの《泉
》と名付けられた便器であり、そこに表現された、「いままでの権威や、価値を
いちど疑ってみる」という「反芸術」の精神です。その後に続く現代美術の作家
は、デュシャンに倣って懐疑の態度にのっとり、徹底的に既成の価値観を壊して
いきますが、いっぽうで芸術の自己解体だけを目的化して堂々巡りになり、行き
詰まりをきたしている側面も否めない。そんな状況にある現在、「古典を振り返
る」というと反動に聞こえるかもしれませんが、むしろ私たちの生き方と、そし
て美術のあり方を現在形で再構築していきたいという思いが高まっているのだと
思います。」 ― 中村
「私自身も「現代美術から入った人間」なので、本格的に近代以前の美術につい
てトレーニングした経験がありません。それで今回の企画をとても新鮮に感じま
した。デュシャンの便器が美術館という「文脈」の上にポンと置かれた瞬間、現
代美術という文脈が初めて設定され、それまでの美術との分水嶺となった。その
分水嶺というのは、リテラシーの違いだと思うんです。創作というものをどのよ
うに意味付けるか、解釈するかという点でそれ以前と以後では決定的に異なって
いる。」 ― 暮沢
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┃4 特別イラストエッセイ 芝崎みゆきの「ジオット・ワールドにてペテロ
┃ を想う」
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┃5 日本にもこんなにあるクラシック・マスターピース
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本場海外まで行けなくても、日本国内でだって、本物の逸品は見られる。西洋美
術の歴史に燦然と輝く巨匠たちの名品を見に出かけよう!
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┃6 クラシックの逸品が見られる2007年注目の企画展スケジュール
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大エルミタージュ展、ターナー、ロダン、ダ・ヴィンチ、モディリアーニ、モネ、
ユトリロ、ラファエロ、ルーベンス、ブリューゲル、ムンク、ルドン、ロートレ
ック、etc……
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┃「GEISAI」とはなんだったのか?
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村上隆インタビュー おもろいアートイベントをより多くのお客様に!!
2001年9月、東京都現代美術館での個展に際して開催された「芸術道場GP」を原型
として始まった「GEISAI」が、昨年9月の第10回目をもって一つの区切りを迎えた。
国内外の実力あるキュレーターやコレクターなどが審査員として参加し、多くの
アーティストのデビューときっかとなったGEISAIとはなんだったのか? 村上隆の
インタビュー、関係者のコメントなどから検証する。
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┃終わらない戦争と芸術によるささやかな試み
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「戦争と芸術〈美の恐怖と幻影〉」展キュレーター、飯田高誉に聞く
世界に目を向ければ戦争や紛争は後を絶たず、どんなに平和を叫んでも、我々が
暴力による死と隣り合わせであることには違いない。日本では天皇制の意義、あ
るいは憲法9条の解釈を巡る議論が続き、先月は防衛庁が防衛省へと格上げしたば
かりだ。そんな折、美大の構内で行われた小さな展覧会「戦争と芸術」が、テレ
ビや新聞で話題となった。横尾忠則、杉本博司、宮島達男、神谷徹の4人が、それ
ぞれの戦争への思いを作品化して参加。さらに、防衛省所蔵の藤田嗣治の戦争画
と、立命館大学国際平和ミュージアム所蔵の長崎で被爆した聖像も並んだ。戦争
を考える契機としての美術展とは、いかに構想されたのか。企画したキュレータ
ー、飯田高誉に話を聞いた。
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┃Boris Mikhailov ボリス・ミハイロフ
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自由の感覚
1990年代、旧ソビエト崩壊後の混迷した社会に生きる人々と変わりゆく街をとら
えて、国際的な舞台で熱い注目を浴びた写真家が、この冬、東京にやって来た。
エンジニアとして働き独学で写真を始めた60年代後半から、東京で相次いで開催
中の個展、滞在中に撮影した日本のことまで、存分に聞く―。
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┃Around the Globe 海外のアートシーンから
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■デンバー / 「探知機」展
■ロサンジェルス+サンタモニカ / ジェイソン・ローズ逝去、「奇妙な新世界
ティファナのアート&デザイン」展
■ニューヨーク / ロバート・ウィルソン個展「ブーム・ポートレート」、クイ
ーンズ・インターナショナル2006「すべて同時に」
■ロンドン / リチャード・ウィルソン個展、クリストフ・ビュッヒェル個展「
シンプリー・ボティフル」、ジョナサン・モンク個展「セカンドハンド(中古)」
■ベルリン / アイシェ・エルクメン個展「一文無し」、エリナ・ブロテルス個
展、島袋道浩パフォーマンス「フィッシュ&チップス/酒ピリンニャ」
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┃連載
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■子供と美術 22 しぼりだし絵とのり染め〜身体を使った自己表現
■やっつけメーキング 39 約束をやっつける
■アクリリックス・ワールド 38 大竹竜太
■画家たちの美術史 50 中村宏


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