雑誌バックナンバー
Orthopaedics(オルソペディクス) 21/11

誌名: Orthopaedics(オルソペディクス) 21/11

創刊: 全日本病院出版会
発売日: 2008年10月15日

価格: 4,305円

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雑誌紹介

毎号、日々の臨床に即した1つのテーマにしぼり、全ページにわたって様々な角度から解説している。一つ一つの論文に図表を多用し、多くのページを割いているため、読者の「ここまで知りたかった」という要望に応える。若手の先生方、開業の先生方から絶大な支持を受けている。


概要

Monthly Book Orthopaedics. Vol.21 No.11
上肢障害・外傷後療法マニュアル

上腕骨頚部骨折(人工骨頭)の後療法 清水 弘之ほか
後療法のポイントは,骨片の固定性にもよるが,回旋介助運動から開始し,他動前挙運動,等尺性運動,自動運動を段階的に行い,抵抗運動に移る.肩外転運動を早期に行うことは,大結節のチーズカットの危険性もあり,禁忌と考えてよい.
上腕骨頚部骨折に対する横止め髄内釘手術後療法 綿谷美佐子ほか
上腕骨頚部骨折後の後療法は,骨折型,術中の固定性,認知症の有無などにより個々の症例に応じ,適切なプログラムを計画することが大切である.
反復性肩関節脱臼(鏡視下)の後療法 望月 由ほか
反復性肩関節脱臼に対する鏡視下Bankart修復術術後の後療法について紹介した.術後3か月からスポーツに復帰し,術後6か月でコンタクトスポーツに復帰できることを目標にしている.
反復性肩関節脱臼(open Bankart-Bristow変法)の後療法 尼子 雅敏
Bankart-Bristow変法術後の高い安定性とパーフォーマンスの獲得のために後療法は重要な要素である.肩関節内外旋筋力を後療法のプログラムに生かすことで,早期に安定した肩関節機能が獲得できる.
鏡視下腱板修復術の後療法 黒川 純ほか
鏡視下腱板修復術後療法では,初期は疼痛・リスク管理に重点をおき,徐々に機能訓練を中心としたアプローチへと移行していく.腱板訓練においては棘上筋と棘下筋の停止部を考慮した訓練を行う.また,体幹・肩甲胸郭関節の固定性と動的安定性の評価・治療も重要視する必要がある.
腱板断裂(mini-open法)術後の後療法 鈴木 一秀ほか
腱板断裂の術後運動療法に対する考え方とポイントを中心に詳述した.術後運動療法は術中所見と組織の修復過程を考慮しながらリスク管理を行い,個々の症例に適した訓練を選択することが重要である.
肩鎖関節脱臼の後療法 多嶋 佳孝ほか
保存療法の場合はIII度でも三角巾固定での安静後,早期に運動療法を開始する.手術法はNeviaser変法を選択しているが,絶対適応はない.
腕神経叢麻痺の後療法 土井 一輝
腕神経叢麻痺に特異的な手術方法は,神経交叉縫合術(神経移行術)と筋肉移植術である.神経移行術における後療法は,移行する神経の元の機能を再建する機能への転換である.筋肉移植はこれに
加えて,早期他動訓練による移植筋腱の癒着予防が重要である.
肘離断性骨軟骨炎の後療法 戸祭 正喜
筆者が行っている上腕骨小頭離断性骨軟骨炎の術後後療法を紹介し,後療法のポイントと注意点について記述した.
肘部管症候群の後療法 西田 淳ほか
肘部管症候群術後の後療法として,術後3週まで肘が約80°屈曲位となるように三角巾で保持しつつ,神経の癒着制御のため1日2回,肘の最大自動屈伸運動をゆっくり行わせている.
リウマチ肘(滑膜切除)の術後成績と後療法 石井 隆雄ほか
術後1週までに屈曲角90°を目標に,できるだけ早期よりCPMなどを使用しながら肘関節可動域訓練を開始し,ある程度根気よく時間をかけてリハビリを継続することが重要である.
関節リウマチに対する人工肘関節形成術の後療法 羽生 忠正
可動域訓練は,重力下垂法で行う.患者様自身の反対の手で手首を持ってもらい,前額部に手の平を置かせ,前額から鼻そして口へと移動させる.次に肘立ての位置から伸展動作を行わせる.
スポーツによる肘関節不安定症の後療法 伊藤 恵康ほか
肘関節内側側副靱帯損傷術後のリハビリテーションの実際につき,時期,種目,強度,指導上の注意を具体的に述べた.
上腕骨外側上顆炎の後療法 新井 猛ほか
上腕骨外側上顆炎の理学療法では病期のどの時期であるかによってプログラムを組む必要がある.病期ごとに分けて理学療法の要点を記載した.
肘変形性関節症(関節授動術)の後療法 坪川 直人
肘関節授動術後の後療法ではCPMを用いた運動療法が有効である.強い他動運動は筋の緊張,異所性骨化を引き起こし満足する可動域が得られない.装具療法を用いて手術中に得られた可動域を維持することが必要である.
手指拘縮の後療法 越智 健介ほか
外傷後の手指は,容易に拘縮に陥ってしまう.手指の拘縮は治療に抵抗することが多いため,予防に勝る治療法はないことを肝に銘じ,あらゆる手段を用いて拘縮の予防に努めて頂きたい.
リウマチ性尺側偏位矯正術後の後療法 南川 義隆ほか
尺側偏位の術後には,ダイナミックスプリントを用いた矯正位での運動訓練とナイトスプリントによる矯正位の保持が重要.ソフトスプリントは術後3か月以上の装着が望ましい.
母指CM関節OAの後療法 副島 修ほか
術後の腫脹は拘縮や痛みの原因となることを,患者本人だけでなくスタッフにも認識させ,腫脹予防に努めることが重要である.
手根骨骨壊死の術後後療法について 松橋 智弥ほか
手根骨の代表的な骨壊死症であるKienböck病とPreiser病に注目し,その分類から手術療法,各々の手術法に対応した後療法について説明する.
RAによる遠位橈尺関節障害(伸筋腱断裂を含む)の後療法 松下 和彦ほか
拘縮を予防するため,Sauvé-Kapandji法では,一日に2回外固定をはずして,手・肘関節の軽い自動運動を,伸筋腱断裂合併例は減張位早期運動療法を行うことが重要である.
遠位橈尺関節障害に対する術後後療法 中村 俊康
遠位橈尺関節障害のうち,遠位橈尺関節拘縮,手関節TFCC損傷術後,Sauvé-Kapandji手術術後の後療法について述べた.遠位橈尺関節の動態を考慮し,尺骨頭の掌背可動性を意識した他動可動域訓練が重要である.
血行障害(切断指再接着を含む)の後療法 普天間朝上ほか
皮弁あるいは切断指の形態,色調,皮膚温,毛細血管の再充盈,皮弁辺縁(切断端)からの出血などから血行障害を早期に察知し直ちに処置を施すことが重要である.
舟状骨骨折の後療法 矢島 弘嗣
舟状骨骨折においてギプス固定を行った場合,固定中においてもMP関節の運動や肩,肘の自動運動が重要である.スポーツや重労働への復帰は,観血,保存療法ともX線で骨癒合が確認されてからにする.
橈骨遠位端骨折の後療法
―掌側ロッキングプレート固定術後早期運動療法を中心に― 金城 養典ほか
不安定型橈骨遠位端骨折に対して掌側ロッキングプレート固定を用いた場合,術後早期運動療法が可能になる.術直後は浮腫の軽減に努め,術後1週頃より,積極的な自動・他動運動訓練を行う.
指節骨・中手骨骨折の後療法 石黒 隆
手における骨折の治療では,MP関節の側副靱帯の短縮による伸展位拘縮,骨折部での腱との癒着および回旋変形などを防止するための早期運動療法が極めて重要である.
側副靱帯損傷(MP,PIP)の後療法 池田 和夫
隣接指とのテーピングを行い,早期に可動域訓練を開始することが重要である.MP関節では伸展拘縮を,PIP関節では屈曲拘縮を残しやすいことを認識し,必要なら早期に装具療法を行う.
腱損傷の後療法 石田 治
屈筋腱損傷の後療法には固定法のほか,Kleinert法を中心とした種々の早期運動療法が報告されている.施設によっては教科書通りの早期運動療法ができない場合があるので,施設に合った無理のない後療法を選択する必要がある.


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