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建築技術 728

誌名: 建築技術 728

創刊: 建築技術
発売日: 2010年08月17日

価格: 1,850円

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雑誌紹介

月刊「建築技術」は、激しく変貌する今日において、建築界におけるアーキテクノロジーのあり方を問うとともに、それらを通じて建築の本来の姿を捉えた建築総合雑誌です。計画・意匠・構造・施工・監理などを網羅し、建築に関する最先端の技術から、より実務的な問題までを幅広く取り上げ、読者のあらゆるニーズに応えるとともに、明日の建築におけるアーキテクノロジーを追求します。


概要

昨年の設備計画の勘所についての特集では,基本はプロジェクトに対する構造・設備設計者の早めの参画であった。しかし物事の始まりが建築設計者によるかたちのつくり出しにあることには変わりはない。はじめに頭の中から湧き出すアイディアの中に,設備・構造に関する配慮が欠けていたなら,スケッチ的なものとはいえその後の修正の域を大幅に超えてしまう。また,設備計画と建築計画の関連についても共通の認識があれば,設備計画説明の際の理解・合意が早く,設計効率が上がるには間違いない。
設計打合せの現場は,本来建築・構造・設備それぞれの望ましいあり方を融合してゆく場である。しかし,設備設計者の印象では「設計打合せ会は,意匠設計者への設備計画教育の場」となることが多い。建築計画に合わせた設備計画のコンセプトを説明しておくことはプロジェクトの推進のための必要条件であるが,理解していただくのが難しく,そもそもの始まりから説明しなければならないこともある。時としては設備計画説明の場が単なるバトル会場となる場合すらある。
建物は一品生産品であるから,似たような計画でも今まで計画したプロジェクトで学んだことが役に立たない場合はよくある。これは,建築意匠設計事務所対設備設計事務所の設計ばかりでなく,総合事務所やゼネコン設計部でも見られる現象である。
今回は,それら打合せを通じて得られた,建築意匠設計者に共通の(間違った)設備認識について具体的な項目を挙げて解説することとした。
【architectural design】
カナン・プレイズ・チャーチ
シンプルで無駄のない地域に根ざした教会
構造計画
7m跳ね出しを施工するうえで重要であった一体感
横浜トラストビル
宙に浮いた3つの箱
狭小敷地のPRC構造の構造設計
5交差点に建つPRC建物の施工
【特集:建築設計者に知ってほしい建築設備計画配慮事項】監修:山本廣資
1.総論 建築設計者に知ってほしい建築設備計画の勘所
2.設備の内容をつかむ
3.建築設備計画配慮事項
[計画着手前]
現場調査は周辺を見渡せ/敷地境界に問題あり/開発協議は設備も関係ある/法的調査は設備にかかわることも調べる/打合せ議事録は必ず作成し,設備にも必ず伝える
[顧客要求事項の確認]
事業主の設計基準を把握する/設備計画概要書を示して要求事項を引き出す/躯体渡しでも設備計画は必要
[建築全体計画と設備]
消防設備で変わる平面計画/設備システムと建築計画
[スペースに関係する排煙設備計画]
排煙設備計画のポイント
[平面計画と設備]
設備に必要なスペースを洗い出す/電気設備関係諸室の計画/空調・換気設備関係諸室の計画/衛生・消火設備関係諸室・スペースの計画/各階分散機械室の計画/中央監視室・管理人室の計画/基準スパンは何で決まるか/小梁のかけ方は天井伏せ次第/レンタブル比は後から減らせば叱られる/長大スパンは振動に注意/煙突配置は冷却塔・室外機位置に注意/壁式構造のマンションは壁量欠損に注意/エレベータシャフト・パイプシャフトに接してホテル客室,マンション住戸は設けてはいけない/マンションにおける音環境性能と供用設備
[シャフト計画と設備]
シャフトに何が入るか把握する/シャフトはどうして屋上まで上がるか/DS,PS,EPSは同じ位置で真っ直ぐに通せ/形・位置を変えると中身が入らぬ/シャフト位置が悪いとテナントが入らぬ/出口がなければシャフトじゃない/大梁・小梁でパイプが通らぬ/EPSは電気室と考える/水と電気は犬猿の仲
[断面計画と設備@共通事項]
階高はインフラである/ダクト,配管,配線の展開は,梁下か梁貫通か,床下か/断面計画は平面計画に連動している/フラットスラブで階高は縮まるか/設備機器と梁との取合い/元に近くなるほど太くなるダクト/梁貫通は万能ではない/ダクトをつぶすと天井が貼れない/二重床は電線の墓場/電気幹線は空調ダクトより大きい/建築基準法が求める設備スペース
[断面計画と設備A建物種別]
46.ホテル客室階,マンション住戸階の最下階床下は有効ふところを多くとる…158|今井雅博/47.電気室の床は一般フロアより高くする…159|伊藤 究/48.マンション住戸内の二重床高さは器具とPSの距離によって決まる…160|山下直久
[鉄骨構造と設備に関するアレコレ]
外装と鉄骨躯体の熱橋に注意する/鉄骨造とRC造では納まりが違う/すべての壁に梁が必要
[立面計画と設備]
表ばかりの建物にしないこと/ガラリの設置や室外機機器を囲う場合は風に流れに注意する
[設備メンテナンス計画]
地下の機械室にはドライエリア,マシンハッチを設ける/屋上の設置機器の取替えを見込んでおく/大型機器の更新時の搬入路を考慮する/天井内に設備機器を設置する場合,メンテナンスのための点検口,架台が必要/病院や研究所には設備フロアを設ける/劇場にはキャットウォークを設ける
[その他]
PAL計算は建築設計者の仕事
4.ここまでできるようになった環境シミュレーション
5.建築設備に係わる確認申請の手続きの簡素化の動向
【特別記事】
プレストレスによる内蔵型制振効果を考える
日常に潜む危険な環境 その3
【連載】
「建築検査学」が目指すもの(2)
携帯端末を利用した配筋検査支援システム
鉄筋コンクリート構造計算
住宅用断熱材の開発で考えておくこと
ふれあいコミュニケーション 時には強く,時には優しく
あの技術は今?
アテネの文字と芸術の文化センタ,Onassis House
建築再生へ リファイン建築の「建築法規」正面突破作戦
巨匠から次世代建築家へのメッセージ なぜ「高床」なのか−日本型建築の歴史と未来像−
「個の住」から「群の住」へ 「サステナブル住宅って,何?」第30回住総研シンポジウム
約一世紀の歴史を重ねた「建築」と「社会」をつなぐ場 日本建築協会と関西の建築界展
21年度における建築研究所の取り組みと成果


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