雑誌バックナンバー
LiSA(リサ) 2月号

誌名: LiSA(リサ) 2月号

創刊: メディカル・サイエンス・インターナショナル
発売日: 2006年02月03日

価格: 2,310円

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雑誌紹介

自らが読みたい雑誌をつくるという編集委員のポリシーからスタートしたLiSAは,いわゆる医学雑誌とは一線を画し,スタンダードを示すのではな,既存の知識をも新しい切り口で検討し直そうとするもの。一歩踏み込んだ分析,今までとは異なる視点からの解釈を示し,読者の知的欲求に応える「徹底分析」。具体的な提示症例に対し,一般論を抜きに「私ならこうする」をストレートに示す「症例検討」。その他,創刊当時からのモットー“楽しく学ぶ”から生まれた読み物が満載。総合誌リサのテーマは,基礎と臨床,手術室から社会へと広がり,集中治療医や救急医,外科医,看護師,臨床工学技士にも共通の場を提供します。


概要

徹底分析シリーズ:ブドウ糖
ブドウ糖は私たちが生きていくうえにおいて欠かせないものである。血糖値の異常により,生体は重大な障害を受ける。低血糖により永久的脳障害が起こりうるが,高血糖により脳虚血が起きた場合の脳障害の程度が悪化することも示唆されている。糖尿病性ケトアシドーシス,高血糖性高浸透圧性非ケトン性症候群といった問題も起こりうる。糖代謝の代表的な異常である糖尿病患者は増加し,手術患者に占める糖尿病患者の割合も増加している。2002年の糖尿病実態調査では,糖尿病が強く疑われる人740万人と,糖尿病を否定できない人880万人を合計した1620万人が糖尿病患者やその予備軍と考えられている。インスリンの投与法も変わってきている。さまざまな濃度の糖を添加した輸液製剤が存在する。周術期管理において,糖について理解しておくことはきわめて重要である。
 そこで,今回は糖代謝や,血糖異常がある場合の管理について徹底分析する。
順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座 稲田 英一
▼体内におけるブドウ糖の動態と血糖値の調節
順天堂大学医学部 内科学 河盛 隆造
▼基本編:ブドウ糖の代謝
東京医科大学医学部 生理学第一講座 渡辺  賢
▼ブドウ糖を含む維持輸液剤や細胞外液系輸液剤の使用法
杏林大学医学部 麻酔科 飯島 毅彦
▼高血糖のもつ問題点と対処法:集中治療
横浜市立大学附属市民総合医療センター 集中治療部 山口  修
▼低血糖のもつ問題点と対処法:麻酔
兵庫医科大学病院 集中治療部 岩谷 全亮・奥谷  龍
LiSA Aesthetic Salon:
アットホーム健康法[子供編12]:反抗期:楽しく「カッカ」と過ごそう
ニュー上田クリニック 上田 由紀子
今年の冬は久しぶりにとても寒いようです。特に雪国の先生方には,いつも以上にご苦労の多い毎日ではないでしょうか?救急外来は忙しいうえ,交通手段が不規則で,もしかすると停電などもあり,医学以外の特技がいろいろと力を発揮しているのかもしれません。災害時の医療マニュアルというのも医師会から配られていますが,通常の生活ができなくなると,まずは基本的な生きていくための知恵が一番必要ではないか,と思うのです。ニュースをみて心配しているだけですが,心からエールを送りたいと思います。
サイトカインから見た臨床:
第19回:臨床サイトカイン学の始まり
神戸市立中央市民病院 免疫血液内科 高橋 隆幸 
ブックレビュー:
『科学史から消された女性たち―ノーベル賞から見放された女性科学者の逸話 』(関本 英太郎)
『シモネッタのデカメロン』(福家 伸夫)
『パガニーニ作曲《ヴァイオリン協奏曲第1番 変ホ長調 作品6》』(内藤 道一)
[症例検討]TEEを使いこなそう
TEEの術中における役割は当初は僧帽弁形成術などの特殊な手術評価に使われていたが,その後術中の心機能評価,空気塞栓の予防などの心臓麻酔における安全管理につながり,現在では手術治療の最終評価を行っている。しかし,TEEの評価はoverestimationとunderestimationが常に存在し,患者の予後を左右する。日本心臓血管麻酔学会を中心としたJBPOTが設立され,心臓麻酔における経食道心エコー(TEE)試験がすでに2回行われているが,その難関度はほかの専門医試験の比ではない。これはTEE評価が患者の生命に直結すると考えているためで,心臓麻酔専門医につながっていく一つの過程である。
 TEEによって呈示される画像を単に評価するのではなく,TEE留置で何を予想するか,あるいはどのような術式を推奨するかが今後のTEEの重要な役割である。また,手術対象となっていない合併疾患(OPCAB予定における僧帽弁閉鎖不全症など)の評価にはその内科的予後の知識も必要であり,透析患者ではどのように弁が石灰化するか,またstentless graftではその術式の把握が重要であり,wet labなどを通じた解剖学的知識や外科医に負けない術式の理解などの知識の集約が必須である。
 また,小児疾患では,解剖学的形態を変更して心機能を改善するのが手術の役割であり,TEEの重要度と難易度は成人のそれよりさらに高い。この分野では,日本の知識の集約が欧米よりも早い。最近は小児用omniplaneも開発されており,小児TEEの有用性は高まっている。
 以上のような問題を背景に考えて,今回は成人と小児の症例を呈示していただいた。TEEを解析するには,術前の一般心機能評s価だけでは不十分であり,術前の心臓カテーテルや心エコーを呈示された心臓外科医とのカンファレンスにより,心臓外科医が何を目標に術式の戦略を組み立てるのか,循環器内科医,循環器小児科医が個人のライフスタイルや子供の成長をどのように願っているかなどを十分把握しないと,安易な術式の追加や変更は許されない。
 わたしどもの施設はこのような,外科や内科,小児科の手術カンファレンスを毎週行い,小児心臓カテーテルにも参加して術前の動的検査から把握する心臓麻酔チーム(TCAT)を設立したが,本稿はその一環としての麻酔科のカンファレンスの記録を中心としている。これは心臓麻酔科医が心臓外科治療に参画してきた一つの歴史であり,TEEを用いたわたしどもの戦いの歴史を一つひとつひもときながら,今後の参考になるような症例の扉の序章を呈示したい。
東京女子医科大学医学部 麻酔科学教室 野村 実
▼僧帽弁置換術の麻酔とTEE
東京女子医科大学医学部 麻酔科学教室 清野 雄介・野村 実
▼小児先天性心疾患の麻酔:心室中隔欠損症術前評価におけるTEEの役割
東京女子医科大学医学部 麻酔科学教室 森野 良蔵
知識をいかに体系化するか:
情報の入力と整理17:仮名漢字変換の充実と使い方
帝京大学八王子キャンパス 諏訪 邦夫
Pharmacognomyへの招待:
(_)-D-Phenylalanyl-L-cysteinyl-L-phenylalanyl-D-tryptophyl-L-lysyl-L-threonyl-N-[(1R,2R)-2-hydroxy-1-(hydroxymethyl)propyl]-L-cysteinamide cyclic(2_7)disulfide
帝京大学医学部 薬理学講座 中木 敏夫
Editorial拝見:
リサクラブ:
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