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PEPARS(ペパーズ) 9月増大号

誌名: PEPARS(ペパーズ) 9月増大号

創刊: 全日本病院出版会
発売日: 2008年09月15日

価格: 5,250円

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雑誌紹介

毎号1つのテーマを、「より読者が理解しやすい」ように、オールカラーで、大きく、見やすくレイアウトされた誌面で解説している。論文の参考文献にも「summary」を付け、掲載論文だけではない広がりのある理解が可能で、「捨てられない雑誌」として若手の先生方より絶大なる人気を得ている。


概要

PEPARS. No.23/2008.9
切開とアプローチの基本戦略

1.切開の準備
局所麻酔法 征矢野進一
局所麻酔はそのやり方により,治療のやり易さや安全性が違ってくる.
筆者が行っている安全で効果的な各種の局所麻酔法を報告した.
止血法の基礎知識 田中 克己ほか
手術時の各種止血法と併せて周手術期における抗凝固療法ならびに抗血栓療法の管理法について述べた.
皮膚緊張線について 並木 保憲
皮膚緊張線に沿った切開線では,創縁にかかる張力が小さいので術後の瘢痕が目立たなくなる.
Langer線,皺線,RSTLについて解説し,切開線の決定に際して留意すべき点について述べた.
2.皮膚の基本的切開法
Z形成術,W形成術 秋元 正宇
Z形成術では,皮弁が入れ替わり,瘢痕の間に正常皮膚が割り込む様子と立体的変化のイメージを思い浮かべること.
W形成術では,術後瘢痕の向きと全体の幅に留意すること.
局所皮弁(I) 鈴木 茂彦
局所皮弁の利用にあたっては皮弁移動後の縫合創を予測し,縫合瘢痕がなるべく目立たないように,
また創縁に無理な緊張がかからないよう適切な作図を行うことがポイントである.
局所皮弁(II) 武田 睦ほか
筆者が行っている各種の皮下茎皮弁,双茎皮弁,遷延皮弁,骨抜き皮弁の実践的手技を述べる.
皮弁のデザイン,trap door変形を避ける工夫などについても述べる.
特殊な切開 清水 祐紀
形成外科手技の中で特殊な治療方法であるが,液体窒素や電気メスは身近な存在なものである.
これらの治療手技による治療方法について習熟する必要がある.
3.部位別の切開とアプローチ
頭髪部での切開とアプローチ 大場 創介ほか
冠状切開では,毛流に直交する切開線は傷を目立ちにくくすること,
手術後の骨欠損や遊離移植骨片が切開創直下にこないことを念頭に置き切開をデザインする.
前額部での切開とアプローチ 堤田 新ほか
前額部での皮弁で代表的なものにforehead flapがある.
色調,質感ともに優れているため外鼻再建にしばしば用いられる.
またtissue expansionも可能であり,眼窩の再建にも利用でき,その用途は広い.
眼瞼・眼窩の切開とアプローチ 上田 和毅
眼瞼・眼窩部は解剖と機能が複雑であるので,まずそれを理解することが重要である.
理解なくしては術式を習得することはできない.汎用される術式を紹介した.
頬部での切開とアプローチ 去川 俊二ほか
頬部皮弁の代表としてcheek rotation flapについて,
古典的な手術操作にretaining ligamentなどへの考慮を加えて記載する.
口唇の切開法 大河内真之ほか
口唇の切開の基本も他の部位の切開と同様に方向,深さを考慮し,
また良好な状態に再建できるようにする必要がある.今回は,切開の基本につき詳述する.
片側完全唇裂直線法 ―デザインと切開,縫合の実際― 中島 龍夫
口唇裂初回手術では切開よりも術前のデザインと基準となるポイントをいかに設定するかが重要とされる.
しかし幼児の口唇に切開を入れるにはそれなりのコツがあり,
メスの入れ方,動かし方,ハサミの挿入方向,皮膚,皮下組織,筋層,赤唇粘着部の剥離と縫合,
外鼻皮下の剥離と鼻軟骨の矯正縫合には細かな注意が必要である.
本論文では口唇裂初回手術デザインと剥離,
切開について筆者が片側完全唇裂で行っている直線法をモデルとして解説する.
手足部での切開とアプローチ 栗原 邦弘
皮切は目的とする手術の展開に必要で十分な範囲に加える.
皮切・展開による神経,血管の直接的合併と術創痕の疼痛,拘縮の合併を避ける.
このためには局所解剖,解剖学的指標,基本的皮切線の熟知が求められる.
乳房部における切開とその瘢痕 岩平 佳子
乳房は切開の位置のみならず,皮切のデザイン,縫合,術後のケアなどによって結果が異なる部位である.
また全く傷が目立たなくなる乳頭と比べ,乳輪は瘢痕が白くなり目立ちやすい.
部位的特殊性を考慮し,綿密な計画を立てて手術に臨むことが肝要である.
ケロイド・肥厚性瘢痕の好発部位での切開とアプローチ 百束 比古ほか
体表,特にケロイド・肥厚性瘢痕の好発部位における皮膚切開縫合においては,
きれいな傷跡を遺すために最善の努力をしなければならない.
そのためには,皮膚切開のデザインと最終的な縫合線の方向・形状は重要な要素の1つである.
また直線瘢痕を原則としつつも,部位や瘢痕の長さによっては緊張が分散されるような瘢痕を目指すべきである.
4.手術手技別の切開とアプローチ
神経採取のための切開とアプローチ法 多久嶋亮彦ほか
自家移植神経としては,腓腹神経や,頸神経叢(特に大耳介神経)が用いられるのが一般的である.
神経採取により,神経支配部の知覚脱失や鈍麻が起こるのは避けられないが,
採取部の瘢痕など,できるだけ採取による犠牲が少なくなるように皮膚切開を行うことが肝要である.
骨採取のための切開とアプローチ 杉田 礼典ほか
毛流に留意した頭皮の切開を行う必要性に関しては,形成外科医以外の先生方にもお読みいただけたらと存じます.
外傷の術後瘢痕について説明する時にも参考になるかと思います.
肋軟骨採取のための切開とアプローチ 永田 悟
胸郭変形を起こさない肋軟骨採取を行うためには,肋軟骨膜の全周を生体に残し,
肋軟骨本体のみを採取することが本質である.本質を確実に実行するには,守るべきポイントがある.
科学的に何故それが必要なのか,ということを理解した上での訓練が必要となる.
内視鏡手術の切開とアプローチ法 大西 清ほか
形成外科内視鏡手術は,術後瘢痕の目立たない遠隔部切開から病変部へ達する.
本法ではアプローチ法,すなわち,術野となる管腔の作成と保持が手技の要となる.
鼠径部リンパ節郭清の切開とアプローチ 鈴木 康俊ほか
鼠径部リンパ節郭清の手術手技について解説した.合併症である皮膚壊死の発生を少なくするために,
皮膚切開と皮弁挙上時に,皮膚の血行を考慮し愛護的な操作を行うことが有用である.
腋臭症の切開とアプローチ法 森 弘樹ほか
皮弁剥離:創縁をフックで引きながら剥離剪刀の反になった方を上にして行う.
剪除:親指もしくはフックで皮膚を反転し,皮膚表面から示指,中指をあて,
その腹にのった部分の剪除を行う.


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